内科の医師は患者さんに生活指導をする場面で、よくこのように説明します。
「体重を落とすだけで、血圧は下がりますよ」と。
それではなぜ、体重を落とすことが血圧を下げることに繋がるのでしょうか。
血圧とは、心臓が収縮したり、拡張するときに起きる血管への圧です。
一定の血圧を保つことは、全身の血流を保つために必要なことです。
しかし、高すぎる血圧は、拍動のたびに血管を傷めつけている場合があるのです。
体重が増えてしまうと、血液を送る組織が増えるので、その分心臓に負担がかかります。
体重が減少すれば、血液を供給しなければならない組織が減り、心臓への負担も減り、血圧も下がる。
体重を1キロ減少させると、血圧は2下がると言われています。ダイエットすることは血圧を下げる効果があるのです。
高血圧対策のダイエットには減塩を含む食餌療法と運動療法が有効ですが、
特に有酸素運動が有効です。
なぜ、高血圧には有酸素運動が有効なのでしょうか。
なぜ、高血圧対策に有酸素運動なの?
運動には無酸素運動と有酸素運動があります。無酸素運動は筋トレやヨガなどです。
運動中に脈拍が上がることは少なく、運動中には組織や血管に負荷がかかり、血圧が上がる場合があります。
もちろん、筋肉をつけることはダイエットには有用なことです。
しかし、現在血圧が高い方が無酸素運動をする事は避けた方が良いでしょう。
一方、有酸素運動は全身の血流をスムーズにし、細胞内のナトリウムの排出を促します。
ウォーキングや水泳など、酸素を身体に取り込みながら、負荷の軽い運動を時間をかけてゆっくり行うことで、血清脂質の排出を促します。
高血圧は血流が滞る事やナトリウムが体にたまることも誘因だと言われています。
血液・ナトリウムの滞りを改善することは、血圧を下げることに繋がるのです。
また、すでにBMIが高めの方は中性脂肪・コレステロール値が高値である場合があります。
有酸素運動は、血清脂質の排出を促し、血液の流れをスムーズにしてくれるのです。
また、肥満の方はインスリンの感受性が低下しています。
インスリンは食後の血糖値を下げる役割があるのですが、インスリン感受性の低下は高血糖状態を招き、これがさらなる肥満や高血圧を招きます。
肥満はさらなる肥満を呼ぶ…というイメージがありますが、脂肪細胞がインスリンの働きを悪くするからなのです。
有酸素運動はインスリンの感受性を上げる効果があります。
インスリン感受性が上がれば、食後の満腹感を感じやすくなり、過食防止・内臓脂肪の防止につながるのです。
ただし、運動しても良いのは収縮期圧が160~179以下、拡張期圧が100~109以下で心臓血管に異常が無い方です。
血圧が高すぎる方は医師の診察を受けて治療を開始し、血圧が落ち着いてから有酸素運動をするようにしましょう。
その他、持病がある方も、運動を始める際には主治医に相談してください。
ダイエットにも血圧対策にも◎自宅でできる有酸素運動
ダイエットにも血圧対策にも効果的な有酸素運動を最後にご紹介します。
フィットネスアプリ「Fysta(フィスタ)」でプログラムとして公開されている有酸素運動です。
高血圧の方のダイエットにも有効な運動となっています。
こちらの運動は、軽い有酸素運動でありながら、足腰を鍛えられます。
体の中で大きな筋肉が集まっているのが下半身なので、ここを鍛えることは代謝アップも期待できるのです。
また自宅で簡単にでき、負荷がかかり過ぎないので、運動中の血圧上昇が心配な方にもおすすめです。
記事執筆:島谷 優花
看護師歴20年。外科系小児・成人の病棟、急性期病院外来経験を持つ。
患者さんへの療養指導・生活習慣指導経験から「専門職がわかりやすく病態生理を説明することの重要性」を実感。
健康や病気への疑問をわかりやすく伝えることを心がけている。

StartHome編集部

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