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ここ最近、名刺をデータ化して管理し、スマホでもいつでも名刺を見れるよう、名刺専用アプリをを使う人も多くなってきた。
そんな中、名刺管理アプリの問題もいろいろ見えてきて、アプリを選択する時点で一歩間違えたらあとで後悔することになることも。

名刺管理アプリには、利用を始めると、どんどん名刺を取り込んで、あっという間に手離せなくなる性質がある。
これは、自分に合っているアプリを使っているのであれば問題はないが、使い勝手がよくないと感じた場合、また別のアプリを利用し、データをそこに移行する手間がかかる。
そうする暇がないユーザーがそのまま我慢していくケースも多くある。
しかし、ユーザー自身の都合ではなく、アプリの問題があった場合、サービスを変更せざるをえなくなるということに注意しないといけない。
特に、人工校正で名刺を入力するサービスだと、下記の潜在的問題点があるようだ

1. 情報漏えいの恐れ
人工校正とは、人が名刺登録の作業をユーザーの代わりにやってくれるというサービスなので、単純に機械で処理してからサーバーに保存されるデータより情報が漏洩してしまう可能性が高い。なぜかというと、サーバー上のデータは基本的に暗号化処理をされていて、数人しかいないサービス提供企業内部のシステム担当者が悪意でデータを取り出されたり、ハッカーにやられたりさえしなければ安全だが、一方人工校正の場合、外部のデータセンターに請負しなくても、データ処理の所要人数が倍になり、情報が漏れる可能性もその分高くなります。
日本国内のデータセンターでやれば問題がないと思われがちだが、逆にデータをほしがる競合企業にとって不正をしている業者からデータを買い取ることも簡単なので、実は何ともいえない。他の施策として、一枚の名刺データを分割して複数の作業員で処理する方法もあるが、それもデータを不正で取り出すことをしにくくするものだけで、根本から問題を解決することができない。

2. 膨大なコストなどでサービス自体が中止してしまう
つい最近、とある人工校正をベースとして名刺管理アプリがサービス停止の予告を出した。
運営会社もそれなり大きなところで、アプリ市場のカテゴリーランキングでもそこそこ上位に入っていたにもかかわらず、なぜいきなり廃業になったのか。
恐らく人工校正という仕組みのコストが高いというのと、この手のアプリの収益化が困難であるというのがその原因だろう。
前述の通り、情報漏えいが発生しにくいまともな人工校正を行うには、普通の複数件の名刺入力作業を作業員1人ずつにわけて処理するのではなく、
名刺自体を複数の部分に分けて更に複数の人員で処理することになり、人件費が高くなる(特にデータセンターを日本国内に置く場合や完全に自社で行う場合)。また、名刺をある程度システムで認識して切り取るためのシステム開発費用ももう一つのコスト。そのわりに業者側で得られる収益はさほど多くもない。
そのため、サービス自体の利用体感が悪くなくても、食っていけないままに状態で続けてきた事業は2・3年後にやめられてしまうことは意外なことでもないだろう。

さて、どうすればサービスを選ぶ前に判断できるのか
その対策は?
1. 人工校正の具体作業流れや情報の取扱いを詳しく調査してからサービスに加入する
しかし、人工校正はどのように行われているか、その詳細を公表する義務が企業にもなく、むしろ企業側からしても教えたくない業務秘密であったりして、
一般ユーザーには知られることが難しいのだ。

2.

そもそも内容が少なく、フォントやレイアウトもほとんど処理しやすいというのが名刺の特徴で、このような小さい紙のデータ化をわざわざ大金をかけて人力で処理させる必要自体は、機械の認識精度が日々改善されていく近い将来では消えていくと考えてもいい。いずれにしても自動処理がこれからのトレンドなので、その時代が完全に到来してからよりは、今から既にOCRなどの技術や経験を積んでいるサービスを選んだほうが無難だろう。

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StartHome編集部

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