先日のアメリカ大統領選挙において、共和党の擁立候補であるドナルド・トランプ氏が当選した。民主党のヒラリー・クリントン氏が優勢と見られていただけに驚きをもって報じられた事は記憶に新しいが、選挙では両氏のパーソナリティに話題が集中した感があり、共和党と民主党ではどう考え方が違うのか、いまいちピンと来ていない方も多いだろう。改めて両党の特徴を確認し、トランプ氏と共和党が目指すアメリカ像についてしらべてみた。

Group Of Business People Having A Conference About America In A White Background

過去を遡れば、共和党出身者のトランプ氏は日本と蜜月の関係になり得る?

politics

 

政策の特徴
両党の違いとしてよく言われるのは、「小さな政府」の共和党、「大きな政府」の民主党ということだ。共和党は、建国理念である自由主義と資本主義を尊重するため、政府の民間への介入は最小限に抑えるというスタンスだ。一方、民主党は、貧富の偏りに対し政府が介入してコントロールする必要があると考える傾向が強いと言われている。

■外交の特徴
外交においても両党の方針にはそれぞれのカラーがある。共和党は民主主義の価値観を重視し、民主的な国家のリーダーとして国際的にも振る舞おうとする。そのため、民主的でない国家を敵対視する傾向がある。誠実であるが、ある意味では不器用さもあるといったところだろうか。民主党にも民主的な国家のリーダーという自意識はあるが、共和党ほど排他的ではなく、現実的な貿易関係なども重視する。よく言えばバランス感覚があり、悪く言えば裏表を使い分ける部分もあるという印象だ。

■日本に対しての違いは?
共和党は、民主主義的な価値観を共有していることからも非常に親日的だ。そして共和党の大統領は、これまでも日本のトップとは親密な関係をアピールしてきた。お互いを「ロン・ヤス」と呼びあったと言われるレーガン元大統領と中曽根元首相の友情譚はあまりにも有名である。ブッシュ元大統領にエルビス・プレスリー邸に招待され、大はしゃぎしていた小泉元首相の姿も親密さの表れのように見えた。

また、世界のリーダーでありたい共和党にとって、日本の米軍基地がアジアにおける重要拠点であるという事も影響が大きいのは間違いないだろう。対して民主党は親日的ではあるが、共和党ほどではないと語られることが一般的だ。現実的な経済関係を重視し、より利益を生む外交政策を採用する傾向があるため、安全保障上の同盟国である日本も大事であるが、経済的な成長著しい中国を重視するような場面も少なくない。

古き良き時代のアメリカを再現する共和党、新時代をリードしたい民主党

small American flags isolated on white background

■支持者層の特徴

アメリカ国民の人種割合については、白人が最も多く有権者の70%を占めているが、有権者の84%が白人だった1992年頃と比較すると割合としては減少傾向にあり、黒人、ヒスパニック、アジア系などのマイノリティや移民系が増加傾向にある。

共和党の支持者は主に白人層だ。特にブルーカラーの支持が高いと言われる。1992年には党員の93%が白人、16年現在も86%となっている。一方の民主党は、ホワイトカラーの白人層や移民などのマイノリティの人達の支持が高いとされる。1992年は白人支持者が76%だったが、現在は57%に減少。よりマイノリティの支持を集めている。大雑把な傾向としては、都市部にはホワイトカラーの白人層や移民系マイノリティが多いため、都市の集まる沿岸部の州においては民主党が強い。一方で、中西部においては古くから暮らす白人層が多く、共和党が強いという構図となっている。単純化して見るならば、共和党は「古き良きアメリカ」を、民主党は「新時代をリードする」というような指向性が強いようだ。

今回の大統領選挙においてもその根っこの部分は変わらなかったように思えるが、トランプ氏の過激な発言からは、「古き良きアメリカ」とは「白人による白人のためのアメリカ」であるというイメージが色濃く感じられたのも事実だ。共和党は勝利の代償として、国内における対立を深めってしまった。これからトランプ氏と共和党が、民主党とその支持者層とどう向き合っていくのか注目だ。

The following two tabs change content below.

StartHome編集部

快適な"Webサイト"の入り口を届けるメディア「StartHome」編集部です。日常がほんの少し変わるかもしれない"新たな発見"をお届けしていきます。

この記事に関するキーワード

Twitterでも最新記事をチェック!