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中国最大大手OTA(オンライン旅行会社)のCtrip(Ctrip.com international Ltd.)は、
「将来子どもを持ちたい」と考える女性管理職の社員向けに、福利厚生の一環として卵子凍結の資金援助を行うことを発表した。
対象となる女性社員には、卵子凍結保存にかかる費用などの補助として、10万~200万円の補助金提供と最大7日間の有給休暇が付与される。
同社の創業は1999年、2003年に米国NASDAQに上場し、時価総額は約2.5兆円。昨年11月には国際ブランド(Trip.com)を立ち上げ、日本を含む13カ国で本格的なグローバル展開を開始している。

大手IT企業が次々と制度導入へ

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現在、FacebookやApple、Google、Yahooなどを含む12社以上のIT企業が同様のサービスを提供している。
「今ではないけど、将来的には子供が欲しい」と考える女性社員は多い。
出産のタイミングとキャリアとの間で悩んだ結果、どちらかを諦めてしまうことがないようにできれば、
優秀な女性社員の雇用後、その社員に無理なく働き続けてもらえる。

ヤフーでは、2016年から卵子だけでなく精子や胚の凍結保存及び解凍にかかる費用も補償している。
まだまだ男性が多いIT業界にとって、女性が働きやすい環境作りは急務となっているようだ。

卵子凍結保存とは?

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卵子凍結保存とは、卵巣から卵子を外科的に摘出し、冷凍保存することで将来的な利用に備えるという手続きである。
卵子は加齢とともに老化するため、30代後半から40代の女性にとって自然な妊娠は難しい場合があるが、
最近の研究では、卵子の凍結保存によって50代でも赤ちゃんを授かることが可能であると示唆されている。
通常、卵子凍結保存には最低でも1回に60~80万円はかかるとされている。

制度推進の一方、批判意見も

一方で、女性は子供をもうける時期を遅らせることでキャリアに集中するべきだ、というメッセージにも受け止められるという批判もある。
企業は女性の妊娠出産を遅らせるのではなく、良好なワークライフバランスの形成と子育て支援に注力すべきでは?という意見もあり、今後も議論を呼びそうだ。

だが、女性が経済力を持てるようになってきた現代だからこそ、自分の良きタイミングで出産を選択できる仕組みが活きてくるのかもしれない。
多様化した時代に、会社は社員に対してどうあるべきなのか、考えさせられる事例である。

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StartHome編集部

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