30代、40代ともすれば、接待や年配の方との会食で格式のあるお店で食事をするケースも増えてくるだろう。一方で、慣れないお店に「どうすれば失礼がないのか」と困っている人も多いはず。そこで、“これだけ覚えておけば最低限OK”という和食のテーブルマナーをご紹介。これを読めば、食事と会話に専念できるはずだ。

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一つひとつの行動を丁寧に  “ながら”の所作が基本NG

和食におけるテーブルマナーの根底には、「もてなしてくれる人や、同席する人を不快な気持ちにさせない」という原則がある。その理念は、器を持つ動作、食事に箸を付ける動作、食事を口に運ぶ動作といった、一挙一動に作法として組み込まれている。

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お茶碗やお椀、小皿などは手に取ってから箸を使う

和食では器を手に取って食べることが基本である。意外かもしれないが、しょうゆ皿や、天ぷらつゆなども手で持つのがマナーとなる。料理を口に運ぶ時に、手を受け皿代わりにするのは望ましくない。また、器のほうに口を近づけて食べることは「犬食い」といって最も無作法な食べ方となるので注意が必要。なお、器を持つ時は必ず箸を箸置きに置いた状態で、反対の手を添えて両手で器を持ち、その後に箸を持つのが作法である。箸と器を同時に手に取る事は「諸おこし」、箸を持ったまま器を手に取ることは「箸おこし」と言って無作法とされる。

また、和食は器にも趣向を凝らすもの。特に懐石では高価な器が使われることも多々ある。大切に使うという気持ちも込めて必ず反対の手を添えて取るようにしよう。

膳の向こうにあるお皿のものを箸で直接に口に運ぶのは無作法

会席などではお膳にお料理が並べられて提供される場面がある。このような場面で気を付けたいのが、「袖越し」と「膳越し」と言われる無作法だ。まず、右側にある器は右手で、左側にある器は左手で取ることが原則。これは、蓋のある料理も同じ。これらを逆に行うことは「袖越し」と言ってマナー違反である。次に「膳越し」。これは、膳の向こうにあるものを、箸で直接口に運ぶこと。小皿やお椀などを手に取って食べることはもちろんだが、大皿の料理は一度取り皿に取ってから口に運ぶようにしよう。また、膳の向こうにあるものを、膳の上を通って取ることも膳越しと言われ、膳をまたがず脇を通すのが良いとされる。

これらは、食事の席で粗相を起こさないようにと言う意味合いがあるので、意識して行って欲しい。

ポイントはゆっくりと 食べ物を「掻っ込ん」ではいけない

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箸先五分、長くて一寸 箸は美しく使う

昔からの言葉で、箸先五分(約1.5cm)、長くて一寸(約3cm)という教えがあるように、箸は多くを汚さず使うことがマナー。汁物に箸を突っ込んだり、ごはんに深々と箸を入れるといった食べ方はもっての外。焼き魚など一口で食べられない料理を小さく分ける時も、一気に切ろうとせず、箸先を上手く使って少しずつ切ろう。

「間」も作法のひとつ 料理や飲み物の受け取り方

和食では、仲居さんからご飯ものやお茶のおかわりを受ける場面がある。この時、受け取ったお椀、お茶碗は一度お膳の上に置いてからいただこう。受け取ってそのまま口に運ぶのは「受け吸い」と言って無作法なので注意。

これから、年末年始は会食の多くなる時期。特にビジネスシーンでは、取引先との食事の席が重要な意味を持つことは言うに及ばずと思う。普段の食事から気を配り、和食のテーブルマナーを身に付けることで、大事な席でも自然と背筋が伸びるようになるだろう

 

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StartHome編集部

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