
もう子供も年頃になったし、すっかり親の言うことは聞かなくなり友だちと遊ぶようになってしまった。親としては嬉しいような悲しいような複雑な気持ちだが、こちらとしてもいつまでも子供にかまっていては子離れができない。
ということで若い頃に乗っていたバイクに久々に手を出してしまった。妻はいい中年の大人がバイクで大金を使うということを少し怪訝な目で見つつも、「気をつけてね」といって送り出してくれる。
しかし、いざ乗ってみると色々と若い頃とは勝手が違うので、中年ライダーとしての心意気を記していきたい。
ヘルメット、ライディングウェアにはお金をかける。

若い頃はそれこそパーカーで走ったり、夏はグローブを付けなかったりしていたが、ヘルメットだけは何故か良いものを使用していた。元々それもWGP(現在のMotoGP)で活躍するライダーに憧れていただけで、安全性なんて考えてなかった。その頃は安全性よりもとにかく早く走ることを考えて、毎週週末は峠に通っていた。俺は絶対にこけないと思っていたし、本当に転んだことは一度もなかったが、よく怪我もなく青春を通り過ぎていけたと思う。
しかし、今回乗るにあたって、きちんとバイクウェアを揃えることにした。もう若くはないし、いい年こいたおっさんがパーカーでバイク乗るのは恥ずかしいと思う。何より安全性を考慮してのことだ。
ところがバイクウェアを揃えると、なぜ若い頃に揃えなかったのか不思議なくらいの快適さがあった。
バイク用ジャケットはオールシーズン対応のものを購入。夏はインナーを外せばメッシュ素材で通気性もあり、冬はインナーと、少し厚手の服を着用すれば完璧。何より背中と肘にプロテクターが入っているのがありがたい。
バイク用ジーンズはバイクに跨った時に、ちょうどいい形になるように調整されている。普通のジーンズではまたがったときに少し窮屈だが、バイク用ジーンズはそんなこともなく非常に運転しやすい。そして膝の部分はプロテクター入りだ。
グローブとブーツもバイク用にするだけで非常に快適だ。素手にスニーカーで運転していた自分を叱りたいくらいだ。
何よりバイクウェア一式を着用した自分がいかにもライダーという感じでかっこいい。昔に比べお腹も出てしまったが、それでもバイクを運転している自分の姿をかっこいいと思ってしまうほどだ。
大人の余裕のある運転を心がける。

若い頃はそれこそ峠にしか興味がなかった。バイクはいかに速く傾けてコーナーを抜けるかを競うものだと思っていた。でも今ではそんなことは全く思わない。今思うとなんであんな事ができたのか、はなはだ不思議でならないほどだ。それにバイクでちんたら走るやつが気に食わなかった。バイクでゆっくり走るのが信じられなかった。
今ではそれよりも周りの交通状況に気をつけて、余裕のある運転を心がけるようになった。バイクを乗っているくせに車に抜かされたりもするが、それよりも安全運転を心がけるようにしている。ゆっくり走れば若い頃と違う景色を楽しむことができる。海沿いを走れば気持ちい潮風を感じ、山の中を走れば周りの木々に囲まれた景色を楽しみ、たまに出てくる渓谷の美しい情景を楽しんだりする。
こういう楽しみ方もありだなと感じることができたのは中年ライダーだからこその気づきだったと思う。
中年ライダーならではの体の衰えは否めない。

1人で長距離ツーリングに行った帰りだったが、少し渋滞に巻き込まれたりして日没を過ぎた帰宅となってしまった。もちろんバイクで夜中走行するのは全く問題ないのだが、体がついてこなかった。
目がよく見えないのである。近頃の車のライトはLEDが多いせいもあるかもしれないが、とにかくグレアがひどくて視界がくらむような感じがする。特にトンネルの中がひどく、前から何台も来るとかなり怖い。前方に車両がいればその車を目印に走ればいいのだが、自分が先頭だとそうもいかずかなり怖い思いをした。
これが夜の峠越えだとかなり怖そうである。
また、体力的にも衰えているせいか長時間のライディングはかなりの疲労感を伴う。久々に乗ったせいもあるかもしれないのだが、クラッチとブレーキがなかなかしんどくなってきて、最後の方はブレーキが辛くて止まるのが嫌になったほどだ。
こんな感じなのでツーリングはなるべく朝早く出かけて、夕方には帰ってくるようにした。ルートを工夫すればそれでも色々な場所に行けるので満足だ。そのため、もっぱら自身で時間を調整できるソロツーリングばかりになってしまった。道の駅で仲間を連れて談笑するライダーがちょっと羨ましい。
いつまで乗れるかわからない、でも末永く楽しみたい。

こんな感じで始まった中年ライダーの2度目のライダー生活だが、正直いつまで続くかわからない。しかし、久々にバイクで風を感じる日々は非常に気持ちよく、毎週末が楽しみで仕方ない。できれば妻とタンデムか願わくば妻も免許を取ってほしいと思うが、現在はそんな気もないらしく残念である。
体力も減っていく一方だし、判断能力も落ちていくのでいつかはやめることになるだろう。それでも”大人の余裕のあるライダー”として末永くライダー人生を楽しみたいものである。

StartHome編集部

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