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2019年4月1日より施行される働き方改革関連法案が2018年6月に可決しました。
「関連法案」となっているのは、労働関連の8つの法律を改正する法律の通称となっているためです。

これらの働き方改革関連法案は「残業規制」「同一労働同一賃金」「脱時間給制度」という3つの軸から成り立っています。

今回の記事では、「残業規制」「同一労働同一賃金」「脱時間給制度」という3つの軸から、働き方改革関連法案についての概要と、今回の法案成立で実際に企業や従業員はどのような対応に迫られるのかを、5分でも分かるようにまとめて解説します。

1.残業規制

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残業規制とは

過重労働によって体を壊したり、精神的な負担から自殺に追いやられたりする事件が続いています。
ニュースになっていないだけで、過重労働を強いられている現場は今もなお多数存在しています。

現在の法律では、「1日8時間、週40時間」と定められていますがサブロク協定(労働基準法36条に基づく協定)を結ぶことで「月45時間、年360時間」の残業が認められ、更に追加条件を設けることができます。
つまり、企業にとっては「何時間でも残業をさせることができる」のが現状です。

インターバル制度も?より厳しくなる残業可能時間

日本は、主要7か国で見ると労働生産性が最下位となっています。
残業をすればするほど仕事の生産性は低下し、働いた時間だけの成果が出にくくなります。

働く時間に制限をかけ、労働の生産性を向上させる目的で残業規制が厳しくなることになります。
働き方改革関連法では、「年720時間、1ヶ月100時間未満、2~6か月平均80時間」という制限がかかります。

これに違反すると、罰金や懲役が科せられることになります。
これまでのサブロク協定とは違い、明確な上限が設定されることで、残業を無視することができなくなるのです。

残業時間を企業が把握することも重要な要件となっており、自己申告制からPCのログなどで勤務の実績を管理しなければなりません。
22時まで働いているのに20時で勤怠を付けるようなことをできなくしているのです。

また、インターバル制度が注目されています。
これは、前日に遅くまで働いた人は次の日の朝から働くことができなくなる制度です。
見方によっては、夜型人間をつくり出してしまうことになるのですが、次の日の朝から働けないのであれば、その日は仕事を早めに切り上げてスッキリした頭で朝から働く方が健康的といえるでしょう。

残業規制について、大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月から適用となります。

ジタハラ=「時短ハラスメント」はどう防ぐ?

残業規制が発生することで、職場環境の整備が必要になります。

現在、企業で残業が多い社員についてのリスト化はできていますでしょうか?
残業が「必要であるもの」ではなく、収入を増やすために利用されたりしていませんでしょうか。

残業規制に対する企業の対策は、全社員の業務を見える化し、本当に必要な残業となっているかをチェックするところから始めます。

この法律が施行されることで、無理矢理にでも残業はできなくなります。
属人化されている業務はメンバー間で分散させ、マニュアルや手順書の整備が必要になるでしょう。
「残業するな」だけの指示では現場のモチベーションは落ちてしまい、かえって生産性が悪化することも考えられます。

残業規制によって特に注意しなければならないのがサービス残業です。
部内の収支が悪化することを防ぐために、または残業時間が評価につながることを恐れて、本当は残業をしているのに数字として表れていない人がいるはずです。

残業規制に対する対策は、経営層がしっかりと現場の実態を把握し、残業が多い社員との面談の時間を作ったり、業務のプロセスを見直したりするような対策を取るようにしましょう。

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