ドローンについては、メディア報道の影響もあって「マニアの使う何だか危ないラジコンのような乗り物」という曖昧なイメージから抜け切れていない。だが、正しく使えばドローンは魅力的な動きや美しい写真・動画撮影など、趣味や仕事に幅広く応用できる機材である。そこで今回の記事では、ドローンを正しく扱う上で必ず知っておかなければいけないドローン規制の内容について説明する。

ドローン規制の理由って?

ドローンが規制されてしまったのは、2015年前期を中心に、ドローン落下による事故が相次いだためである。

例えば、2015年4月には首相官邸の屋上に落下したドローンが発見された。微量のセシウムが検出されたことで大きな報道が行われ、結局犯人の男が意図的に首相官邸屋上を標的に落下させたことが明らかとなった。また、同じく2015年5月には長野の善光寺の重要な法要中にドローンが落下。これは15歳の少年による事故だったものの、あと数メートルずれていたら大勢の群衆の中に落下していた可能性もあり、やはり大きく報じられた。こうした事故・事件を受け、2015年12月に改正航空法が施行、2016年4月にはドローン規制法が施行された。現在では、多くのケースで当局の承認や許可を得ることが必要となった。

ドローンの何が規制されている?

大きく分けると、「飛行空域」と「飛行方法」の二種類に関して規制が設けられている。
「飛行空域」については、国土交通省のホームページの図が参考になる。

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出典:国土交通省ホームページ

この図にあるとおり、飛行空域の規制には「空港周辺」「上空150m以上」「人口集中地区」の三種類が存在する。中でも注意すべきは人口集中地区で、東京や大阪のみならず、全国の都市圏はおおむね規制空域であると考えて問題ない。
また「飛行方法」についても、国土交通省のホームページに説明がある。

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出典:国土交通省ホームページ

この図にあるとおり、飛行方法の規制は「夜間飛行」「目視外飛行」「(人や物から)30m未満の飛行」「イベント上空の飛行」「危険物輸送」「物件投下」の六種類ある。特に注意したいのが「30m未満の飛行」で、人や物から30m以上離れなければいけないというのはかなり高いハードルである。また、「物件投下」が規制されていることで、ドローンを使用した農薬散布や荷物の宅配などの応用可能性にも歯止めがかかっている。

これらの規制が設けられたことで、ドローンの飛行の際には許可や承認を求められるケースが急増したとされている。

許可・承認は面倒!業者に任せよう

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規制空域・方法でドローンを飛ばす場合、事前の許可・承認が求められる。
許可や承認を得るために必要な手続きも、国土交通省のホームページにまとまっている。

参考:航空:3. 許可・承認手続きについて – 国土交通省

ただし、必要な申請書が9種類あり、手続きに1ヵ月以上かかる可能性がある。仮に、次の週末にドローンを飛ばしたいと考えても、間違いなく手続きは間に合わない。アマチュアが遊びでドローンを飛ばすだけのために行うには、あまりにハードルが高いと言えるだろう。したがって、行政書士やドローンレンタル業者などの専門家に任せるのが現実的だ。これなら、うっかり法を犯す危険性も少ないだろう。あるいは、規制のない田舎の開けた土地でのみ、ドローンを使用するようにするべきである。

ドローン飛行に免許は不要!

今後の法制度の動きによっては必要になるかもしれないが、2017年3月現在ではドローンを飛ばすのに免許を取る必要はない。ドローンはアマゾンでも販売されているので、個人が勝手に購入して飛行させることも(規制に引っかかりさえしなければ)問題ない。ただ、ラジコンと同じく飛ばすにはコツが必要なので、最初は安全な場所でテスト飛行を繰り返し、操作に慣れる必要がある。また、今回の記事で説明したような最低限のルールについては、事前に頭に入れておこう。

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StartHome編集部

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