2015年の交通事故による死者数が15年ぶりに増加したと警察庁が発表しました。特に高齢者の死亡事故が増加し、全体に占める割合が54.6%にも上ったということです。事故に対する意識の変化、エアバッグや救急医療体制の整備により、年々減り続けていた交通事故の死者数ですが、ここへ来て、再度増加傾向となり、安全対策の見直しが求められています。もしも自分や家族、知人が事故に遭ってしまったら、どうしたらよいのでしょうか?今回は、交通事故から示談金を受け取るまで、知っておくべき知識を、判りやすく解説いたします。

Woman and man on phone car crash accident calling problem

弁護士に聞く! 交通事故~慰謝料請求までの流れ

 もし事故にあってしまったら、第一に警察へ「人身事故」として届け出をしましょう。物損事故として処理してしまうと後の交渉で不利になる可能性があります。治療費や慰謝料は、加害者側の保険会社に請求するのが通常です。現場では、最低限、加害者の身元や、加入保険会社の情報を確認し、可能であれば目撃者の連絡先も聞いておくとよいでしょう。交通事故においては、事故現場で警察が立会いのもと作成した「実況見分調書」が過失割合の判断基準となります。過失割合とは、加害者・被害者の事故に関する責任の割合のことですが、過失割合で争いになりそうなケースはこの実況見分を必ず行うようにしましょう。後方からの追突事故のように、100%相手が悪いと判断される場合もありますが、被害者側にも落ち度があったとされるケースも多くあります。事故の過失割合は、まず加害者の任意保険会社の担当者と交渉することになりますが、どうしてもまとまらない場合は裁判ではっきりさせるしかありません。担当員から「今回の事故の過失割合は○対○です」と一方的に伝えられ承諾してしまったという話もよく聞きますが、10%の食い違いであっても被害者側の賠償金が大きく減額される可能性がありますので、過失割合の判断は慎重に行う必要があります。

保険会社は過去に起きた事故の判例を元に過失割合の数字を決めていますので、多くの場合は典型的な事故の事例に沿って過失割合を提示してきます。ただ、交通事故の状況は様々で、「夜間」「高齢者」など細かな事情が過失割合を左右する可能性もありますので、専門家である弁護士にアドバイスを仰ぐことをお勧めします。
また、示談金についても本来支払うべき金額より相当低額の示談金が提示される現状があります。治療費に関しても、まだ治療が必要な時期に打ち切られるケースが少なくありません。示談金を計算する基準には、主に「保険会社基準」 「裁判所基準」の2つがありますが、「保険会社基準」と「裁判所基準」との間には、大きな差があります。保険会社から告げられた過失割合や金額を鵜呑みにするのではなく、必ず弁護士に一度相談するようにしてください。

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StartHome編集部

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