車を預かり、持込の高級酒をスタッフに渡して個室まで持たせるのが、中国の高級レストランではごく普通の入店スタイル。これを良いことに、数千元数万元もするお酒がすり替えられるという、なんとも卑怯な事件が発生しているという。

Row of ancient chinese jugs inside with the chinese character for alcohol written on the outside

8月15日、レストラン経営の李さんは店舗の倉庫にあった茅台酒(マオタイシュ、貴州茅台酒、Maotai)及び顧客持ち込みの酒が偽物にすり替えられたと通報した。被害額は65000元(約100万円)前後。実はこのお店、2016年4月にも持ってきた酒がすり替わっていたと顧客からクレーム、さらには売っている酒が本物ではないと苦情を受けていた。

今回の事件は8月5日、とある顧客が以前同店で食事をした際、自分が持ってきた酒の味が変化に気づき、持ち込みのお酒のビンに記号を残した。当日、同様のことが再び発生したため、個室に置いたビンをチェックしたところ記号が無かったという。レストランのマネージャーはその顧客に対して食事代を全額引いて対処したが、個室を担当するスタッフAはお酒をすり替えたことを否認した。

これを皮切りに出るわ出るわの不正の数。客の持ちんだ高級酒を1本400元(約6000円)の価格で回収業者に売っている姿を目撃されたり、客の茅台酒をすり替えるのを発見されたりとやりたい放題。15人のホール・個室スタッフのうち、少なくとも14人が悪事を働いていたという。

警察が調べたところ、すり替え→転売→回収した業者が再販売という犯罪チェーンが浮上。使われる手口としては、
1. 最初はちゃんと本物の茅台酒を出すが、客が酔い始まると偽物の酒を出して、本物を盗む
2. 顧客にお酒を注ぐ際、1本につき30%残るまで使うが、その後新たに次の1本を開封。30%の残量を3本分集めれば、1本分になるので、それを回収業者に売ってもそれなりの金がもらえる(業者が酒を再度ビンに詰める機械を持っている)
3. 入店する顧客が持っているお酒を手に入れ、個室まで運ぶ振りをするが、途中に偽物に替える

ちなみに回収業者は、レストラン従業員に偽物のお酒を提供し、そして本物のお酒は1本450元(約7000円)の値段で買い取っているという。複数のレストランで同じことを繰り返しているため、かなりの利益が。儲かった金で不動産などを購入したという。

当たり屋や商売にパクリ文化。さらにはニセモノ商売となんとも恐ろしい国。中国には道徳も無いのか? たまには心が洗われる話を聞きたいものだ。 

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StartHome編集部

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