今年も、JRA春のG1戦線がやって来る。伝統のクラシックレースもあるため、一層の盛り上がりを見せるだろう。ここでは、そんな春のG1戦線から2つのレースを取り上げる。大阪杯と桜花賞であり、筆者独自の視点から予想に役立ちそうな注目馬をピックアップしてみた。4月2日に大阪杯、翌週の4月9日に桜花賞が開催される。競馬ファンにとっては、ワクワクドキドキする週末になろう。まずは、大阪杯から見ていく。

格上げになった大阪杯で、「まつり」が響くか?

Race for the prize of the "Salamova" in Pyatigorsk,Northern Caucasus, Russia.

大阪杯は、創設当初サンケイ大阪杯と呼ばれていた。1984年のグレード制導入により、格付けがG2となる。1989年に昨年まで引き続いた産経大阪杯と呼ばれるようになった。だが、今年から大阪杯に名称変更し、中距離レースの充実度を上げるため、格付けがG1に変わっている。新設レースとは言えないまでも、それだけ、実力馬が集まるレースである。それを象徴するかのように、すでにキタサンブラックの出走が決まっている。昨年の春の天皇賞とジャパンカップを勝ち、有馬記念は2着であった。人気も実力も一流であり、注目しない訳には行かないだろう。先行逃げの脚質で、スタートから先頭集団を引っ張って行くのが特徴だ。

キタサンブラックには、人気や実力以外にも注目すべき点がある。それは、これまで1枠1番に入ると、連対を外したことがないということ。春の天皇賞でもジャパンカップもそうだった。

余談だが、ジャパンカップを勝利した後、馬主である北島三郎が代表曲「まつり」を熱唱。大阪杯でも、お披露目されるだろうか?

なお、今年から大阪杯のトライアルレースとなった中山記念と金鯱賞の勝ち馬も、注目しておこう。中山記念ではネオリアリズム、金鯱賞ではヤマカツエースが勝利した。とりわけ、ヤマカツエースは、最後の直線の伸びが素晴らしかった。金鯱賞の勝ちによって、評価が上がったことは言うまでもない。

とにかく、3月31日に発表される出走表が楽しみだ。

桜花賞の本命は、何と言っても怪物の娘

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桜花賞は、三冠牝馬クラシック戦の一つであり、伝統あるレースでもある。1939年に創設され、今年で第77回目を迎え、年々実力ある牝馬が誕生し、牡馬を圧倒する勢いである。今年もレベルが高いとされているが、中でも最も注目すべき牝馬がいる。

それがソウルスターリングだ。

競馬はブラッドスポーツと言われるように、血統が重視されている。ソウルスターリングは、父がフランケル、母がスタセリであり、父母共にG1勝利馬である。とりわけ、父のフランケルは、怪物とも言えた。イギリスの競走馬で、G1レースを10勝している。しかも、無敗のまま引退した伝説的な名馬だ。ソウルスターリングも、その道をひた走っているように見える。デビューから4戦しているが、一度も負けていない。しかも、2歳牝馬限定のG1レースである阪神ジュベナイルステークスを難なく勝利し、桜花賞のトライアルレースであるチューリップ賞でも危なげない走りを見せている。本命になることは、当然であろう。

しかし、怪物にも、ライバルが出て来ないとは言えない。かつて平成の怪物と呼ばれたオグリキャップにも、イナリワンとスーパークリークが現れた。平成の3強と呼ばれ、第2次競馬ブームを牽引した。

今回の桜花賞で、ソウルスターリングに対抗するのであれば、チューリップ賞以外のトライアルレースの勝利馬かもしれない。アネモネステークスであればライジングリーズン、フィリーズレビューであればカラクレナイである。また、フラワーカップを勝利したファンディーナも、見逃せない。

そう言えばこれまで、三冠牝馬が四頭出ている。1986年のメジロラモーヌ、2003年のスティルインラブ、2010年のアパパネ、2012年のジェンティルドンナである。2000年代になり、10年の間で3頭も誕生している。

おそらくソウルスターリングが桜花賞を勝てば、5年ぶりの三冠牝馬が出るのでは、と話題になるだろう。これだけでも、今年の三冠牝馬クラシック戦線が楽しみである。

春のG1レースは、まだまだこれから

■撮影用に作成した小道具の投票券です。イメージ写真です。本物ではありません。

以上、JRA春のG1戦線の中から、筆者が気になるレースを選び、注目馬をピックアップしてみた。だが、春のG1戦線はこれだけではない。

たとえば、桜花賞の翌週には皐月賞がある。三冠牡馬クラシック戦の一つであり、毎年多くの競馬ファンが観戦に訪れている。今年は、共同通信杯を勝ったスワーヴリチャードや弥生賞の勝利馬であるカデナなどが、有力かもしれない。また、皐月賞の2週後には、春の天皇賞がある。注目馬は昨年の有馬記念を勝利したサトノダイヤモンドであろう。3歳時に菊花賞を勝っているため、長距離の不安はない。阪神大賞典を勝利し、おそらく照準は決まっている。

しかし、先述した大阪杯は、昨年まで春の天皇賞のトライアルレースであった。キタサンブラックは大阪杯に出走し、春の天皇賞を勝利した。今年も同じルートを辿るのであれば、昨年の有馬記念の再来となるかもしれない。そうなれば、春の天皇賞は、必然的にキタサンブラックとサトノダイヤモンドの2強対決になろう。そのほか、5月に入れば、毎週G1レースがある。NHKマイルカップ、ヴィクトリアマイル、オークス、日本ダービーが実施される。さらに6月の第一週に安田記念、最終週に宝塚記念があり、いずれも競馬ファンであれば楽しみなレースばかりであろう。

最後に余談であるが、大阪杯と桜花賞から、筆者の思い出の競走馬をお話したい。

まず、大阪杯では、トウカイテイオーである。1992年の時で、勝ち方が忘れられない。阪神競馬場の最後の直線に入り、トウカイテイオーが先頭になった。後続馬はムチで叩かれていたが、トウカイテイオーはムチが使われなかった。
「持ったまま、持ったまま」という実況の言葉が、今でも耳に残っている。また、桜花賞では、ハープスターである。2014年の時で、これも最後の直線が見ものだった。追い込み馬であり、直線に入った時でも最後尾付近だった。しかし、徐々に馬群を追い越し、ゴール板手前数メートルの地点で、先頭になった。ハラハラドキドキもし、競馬の醍醐味をまさまざと見せつけられた。

果たして、今年の大阪杯と桜花賞は、どんなレース内容になろうか?

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StartHome編集部

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