Cheetah mobileのデータ分析プラットフォームである「appInsight」の情報から「世界のモバイルアプリ市場」、「国・地域別のモバイルインターネット市場」についてレポートしました。Vol.3は全世界のアプリ開発企業ごとの分析結果をレポートいたします。

※過去のvol.1-vol.2の記事は下記よりご覧ください!

vol.1:https://goo.gl/cS8EVd

vol2:https://goo.gl/CeVHV9

1.全世界アプリ開発企業の市場シェアランキング

世界アプリ開発企業シェアランキング

(1)GoogleとFacebookが全世界アプリ市場の覇者

Googleは、その他のアプリ開発企業のシェアをはるかに上回り、市場における覇者となりました。また、スマートデバイスユーザーの半数近くが、週に一度Googleのアプリを利用しているといわれています。

FacebookがWhats appとInstagramを買収した後、Facebook、Whats app、Instagram、Massangerは世界4大アプリケーションとなり、通信とSNSの領域で地位を高めています。また、若い世代のユーザーに強く支持されているのも特長です。

ランキング上位に台頭しているGoogleとFacebookはどちらも米国の企業であり、米国国内へ影響を与えているだけでなく、世界各国に影響を与えています。

(2)中国は世界で有数のアプリ大国

上記のシェアランキングに入っている国々を見ると、中国企業が9社、米国企業が4社、ロシア企業が1社、韓国企業が1社ランクインしています。

全体の市場シェアでは、米国程ではないですが、ランクインしている企業数から見ると、中国も既に世界一のアプリ大国となったことが分かります。

中国のアプリ開発企業は、全世界を包括しているGoogleやFacebookとは異なり、中国国内のユーザーに依存しているという現状があります。このランキング上では、Cheetah mobile以外の企業では、アプリユーザーのほとんどが中国国内に集中しており、中国アプリ開発企業が国際化するのはまだ時間が掛かると推測されています。

(3)激しい検索エンジンサービスの競争

ランクインしている企業のうち5社が検索エンジンを主要サービスとして創業された企業です。例えば米国のGoogle、中国のBaidu、Sogou、ロシアのYandexや韓国のNaverなどが挙げられます。

ポータルサイトや検索エンジンが主な時代からサービスを開始していたため、これらの企業の財産の蓄積は豊かであり、ユーザーの定着率が高く、アプリ市場の売上においてもシェアを拡大する可能性を秘めています。

2.アプリ開発企業の戦略相違点

アプリ保有数・カテゴリ数

(1)特化型

このランキング内の、360、sogou、Microsoft、Fotoableは、1~2カテゴリのみに展開しています。例えばsogouはツールアプリ、Microsoftは仕事効率化アプリ、Fotableは写真アプリに特化しています。特化型になるかどうかはアプリ開発会社の開発戦略によっても決まりますが、開発能力に限りがあることが理由で特化型になる場合もあります。

(2)多角化型

NAVERとYYのアプリは、5つから7つのアプリが全世界アプリランキングの上位にランクインしていますが、それらのアプリカテゴリはさまざまな種類のものです。

このようなアプリ開発企業は市場開拓進めていく上で更に実力を発揮していくと考えられます。

例えばNAVERのランキング上の7つのアプリは「書籍」「コミック」「旅行&地域」「SNS」「メディア&動画」「エンタメ」の6つのカテゴリに分けることが出来ます。現状では世界アプリ開発企業シェアランキングの10位以内には入っていないですが、アプリ開発の実力において世界トップレベルにあると言えます。注目されている

3.注目されているアプリ開発企業

(1)Google

Googleのアプリの中には、YouTubeやGoogle検索エンジン等のアプリがあります。また、Googleのユーザーのうち約90%がYouTubeをインストールしています。

2015年第2四半期の財務報告書でGoogleは、動画共有サービスに注力していくことを明確にしました。このことは、Googleのライバル企業であるFacebookも関係しています。

(2)Tencent

Tencentのアプリは、海外に進出している中国アプリ開発企業のうち海外アプリ市場において第8位ですが、中国市場での売上高と世界総合ランキングにおいて第3位、中国企業では1位を誇っています。また、TencentのアプリであるWechatは、中国市場で最多の売上高を誇っており、QQもその後についてきています。これらのことからTencentは中国市場にとって非常に重要な存在であるという事が見受けられます。

(3)Cheetah mobile

Cheetah mobileは海外市場において優勢であるため、ランキング上位に入っています。Cheetah mobile2015年第3四半期の財務報告結果では、74%以上のユーザーが欧米からの流入となりました。Cheetah mobileはClean Master、CM Security、Battery Doctorなどのツールアプリ以外に、KINGSOFT Office対応の仕事効率化アプリも好調です。

(4)NAVER

NAVERは日本で最も有名なアプリ「LINE」の親会社です。元々検索エンジンを元手に設立されたアプリ開発企業で、韓国語圏の検索エンジンの中で最も使用されており、スマートフォンの検索エンジンも普及しています。検索エンジン以外に、ニュース、メール、マップなどのサービスを提供し、韓国で最も大きなアプリ開発企業となっています。

(5)Yandex

Yandexはロシアで最も重要なインターネット企業です。検索エンジン、ニュース、マップ、百科、メール、EC、インターネット広告サービスを提供しています。2015年、Yandexは中国支社を設立を設立しました。アジアに進出するのはこれが初めてで、海外に拠点を置くのは2度目です。このことから、Yandexが中国市場を重要視していることが読み取れます。

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