オフィスで仕事をする意義が見直される昨今。ベンチャーだけでなく、フリーアドレス制を導入する大企業も続々と増えてきている。また、リモートワーカーの増加も相まって、特に都心部ではカフェで仕事をする人たちで埋め尽くされる現状だ。そんな中、コワーキングスペースやシェアオフィスなどのワークプレイスの数も広がりを見せている。今回はフリーランスや外回り営業マン必見。オフィス以外の最新ワークプレイスと、それぞれのメリット・デメリットを紹介する。

■レンタルしたスペースにて撮影を行っています。

オフィスワークの限界

オフィスでの仕事は、常に同じ人が周囲にいて同じ景色が広がるため、真新しい刺激や情報のインプット機能に乏しい。ずっと自社オフィスだけで仕事をすることは、アイデアを創り出す仕事をする業種には、とても適しているとは言えない。いつもとは異なる働き方を検討すべきだろう。また、営業部のオフィスは昼間ガランとしているのを見たことがある人も多いだろう。一方で、昼間もきちんと家賃が発生し、その家賃も含め営業は売り上げをあげなければならないのだ。オフィス外での業務を効率の範囲内で許容し、フリーアドレス制にすれば、企業としては席数を減らすことができ、家賃の削減にもつながる。

カフェ以外のワークプレイスの種類とメリット・デメリット

カフェのメリットは安く利用でき、都心部であれば駅前に数店舗はあるので探す手間もほぼかからない点だろう。一方で、カフェの電源のある席は長居するワーカーに占拠されていたり、騒音が気になってしまうことも。そもそも昼くらいには満席で入れないことも多い。また、トイレや電話など席を外すときに貴重品の管理が不安である。実際筆者の友人も都内の有名カフェでトイレへ行った5分の間にノートPCを盗まれたことがあった。そんな中、カフェ以外のワークプレイスが次々と誕生している。その一例と、メリット・デメリットをご紹介しよう。

ワークカフェ

nomadcafe

通常のカフェチェーン店とは違い仕事をする人が集まるカフェ。メリットは安価なことに加え、何と言っても作業に必要な設備が整っているところである。設備は店舗にはよるものの、電源やプリンター、レンタルPC、会議室も完備しているワークカフェがある。デメリットとしては、コミュニティの輪が広がりにくいことがあげられる。カフェで見知らぬ人に話しかけることはほとんどないはずである。

café miyama
ジャズの流れる洗練されたおしゃれな空間のワークカフェ。
設備は上質な椅子に加え、電源、Wifi、プリンター、そしてクラウド名刺管理アプリeightのスキャナーのある店舗もある。

BASE POINT
店内は落ち着いていて、料理がおいしいと定評のあるワークカフェ。
設備は電源、Wifi、会議室、フリードリンクなど。

TIMES CAFE
1Fのオープンスペースは持ち込み可能の便利なワークカフェ。
設備は、電源、Wifi、レンタル携帯充電器、レンタルPC、ドリンクバー、マッサージチェアなど多数。

コワーキングスペース

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会議質や打ち合わせスペースなど仕事場を共有しながら働くコワーキングスペース。料金を都度支払う「ドロップイン利用」は300~500円/時間程度、「月額利用」は1~2万円/月程度のスポットが多い。カフェよりもやや高めな料金がデメリットではあるが、コワーキングスペースのメリットは、何と言っても横のつながりである。ワークショップや休憩スペースで、他のワーカーと交流ができるお膳立てが、ほとんどのスポットで行なわれている。双方が仕事仲間のゆるいつながりを求めていることが多いので、ここで新しい仕事仲間が増えたり、仕事の受注が発生したりすることは日常茶飯事である。これを行わないのであれば、あまり行く意味がないし、ワークカフェの方が安上がりである。仲間を求めるフリーランスには最適である。

PoRTaL
美味しいコーヒーを淹れたり、ディナーを作ったりできるコワーキングプレイス。
様々な業種の利用者がいるので、知見が広がるだろう。
設備は電源、Wifi、会議室、ホワイトボード、キッチンなど。

co-Lab
「集合型」プラットフォームをコンセプトとするコワーキングプレイス。
フリーランスやノマドワーカーのコラボレーションを誘発する設計になっている。
設備は電源、Wifi、プリンター、会議室、ロッカー、電子レンジなど。

Lightningspot
起業家やフリーランスのためのコワーキングプレイス。
アーロンチェア完備だが、バランスボールを利用することも可能。
設備はプリンター、ロッカー、ソファ、会議室など。

シェアオフィス

Coworking

ここでは、ドロップイン利用ではなく、月額利用がメインのスポットをシェアオフィスとして扱うことにする。料金は2万〜/月程度。法人登記の住所としても使えるケースが多く(別途料金がかかる事も)、スタートアップなどでは、イニシャルコスト削減に役立つ。そのほか、このように既存のスポットに入居するのではなく、複数の事業者や会社員が集まって物件を賃貸し、上記と同程度の賃料でシェアオフィスを作るケースも増えている。メリットは、限られた人数の入居者同士が頻繁に顔をあわせるため、深く繋がることができる点である。シェアオフィスで出会い、共同事業を立ち上げたケースは頻繁に発生している。デメリットは、コワーキングスペースなどに比べると人の出入りが少ないため、事業を広げるための広がりは、必要あれば別途作りに行かなければならないだろう。
hapon
日本列島型の共有テーブルを囲んで作業する、思いがけない出会いを生まれることを目的としたシェアオフィス。
設備は電源、Wifi、プリンター、ロッカー、会議室など。

kurkku home
クリエイターの育成・交流・発信がメインのシェアオフィス(およびイベントスペース)。
設備は電源、Wifi、プリンター、ロッカー、ポストなど。

PORTAL POINT
ホテルのような広々とした空間が特徴的なシェアオフィス。
設備は電源、Wifi、プリンター、ロッカー、ウォーターサーバーなど。

フリーランスという働き方が再発見されつつある昨今。彼らは固有のオフィスを持たないノマドワーカーであることもあり、外部の作業環境は必須である。そこで、目的に応じて今回紹介したワークカフェ、コワーキングスペース、シェアオフィスを利用すると効率的に作業できるだろう。今回は3つに絞り例をあげたが、もちろん新しいコンセプトや利便性を持ったワークプレイスはどんどん生まれているので、自分にぴったりの居場所を見つけてほしい。

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StartHome編集部

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