かつては成人病と呼ばれ、中高年になってからの病気のように思われていた「生活習慣病」だが、若い人にもその“予備軍”が増えている。特に生活習慣病の代表である「糖尿病」は世界的にも増加傾向にある。

Fat concept and unhealthy restaurant food or processed meal icon as text made from a group of hamburgeres deep fried french fries cake and fastfood as a metaphor for eating and nutrition health risk.

糖尿病の恐ろしさは、

・症状が進行すると様々な合併症を引き起こす
・動脈硬化を招きやすいため脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが高まる
・治療では人工透析が必要となったり、壊死を起こした下肢を切断したりすることもある

ところだ。厚生労働省が2014年に調査した糖尿病の総患者数は316万6,000人。自分が「糖尿病予備軍」かどうか、気になる人は多いだろう。

糖尿病になる要因とは?

糖尿病は、すい臓から分泌されるインスリンが不足し、血中のブドウ糖が有効に使われずに、血糖値が高くなっている状態のことを言う。このように糖が使われず、尿に多く輩出されるため糖尿病と呼ばれる。日本人はもともと体質的にインスリン分泌が弱い人が多いと言われており、加えて、日々の食生活における糖分の過剰摂取や運動不足、ストレスなどによって血糖値が上昇しやすい状態にある。そのため糖尿病のリスクが高まっているようだ。「太っている人が糖尿病になりやすい」とよく言われるのは、脂肪(特に内臓脂肪)や悪玉コレステロールがインスリンの働きを弱めてしまうからだと考えられる。

糖尿病になる要因はいくつかあるが、日本の糖尿病患者の9割以上は「2型糖尿病」と呼ばれるタイプだ。2型は徐々に体質が変化していくため自覚症状が乏しく、気づかないうちに病状が進行していることも多くある。

糖尿病の症状は?

糖尿病が疑われる場合、主に以下のような症状が表れてくる。

・尿の量が増える…糖が尿になると、尿を濃くする働きが悪くなり、結果として尿の量が増えてくる
・のどが渇く、水分をたくさん飲む…血液中の糖分の濃度が高くなると血液が濃くなってのどが渇く。また、多尿のために脱水状態となり、水分が欲しくなる
・疲れやすくなる…エネルギーが不足しがちで、体重も減少することで疲労感、倦怠感が続く
・体重が減る…糖が尿に下りてしまうため体内でエネルギーになりにくく、不足したエネルギーをたん白質や脂肪で補うため体重が減る

「最近、ウエストがきつくなってきているなあ」「ちょっと運動不足かも」と思っている人で、以上のような症状に心当たりがある人は糖尿病予備群かもしれない。要注意だ!

「糖尿病予備群かも」と思ったら、やっておきたい3つの対策

糖尿病は直らない病気だと思っている人もいるかもしれないが、内臓機能が破壊されていない予備軍の段階ならば、体質を変えることで症状を改善することも充分可能だ。糖尿病対策でとにかく重要なのは血糖値をコントロールすることだが、予備軍の段階であれば、心掛け次第で今すぐ実行できる。

1 規則正しい食生活
間食や夜食などを食べすぎてしまう不規則な食生活をしていると、血糖値のコントロールが難しく、内臓脂肪も増えてしまいがち。朝・昼・夕の三食をバランスよく食べ、あまり遅い時間には食べないようにしよう。また、ごはんやパン、麺類などの炭水化物はほどほどにして、野菜を多めに食べることを心がけることだ。

2 サプリメントで体質改善
食生活を改善したとしても、どうしても足りない栄養素は出てくる。そんな場合は、サプリメントを上手に使って補助するのも有効だろう。糖尿病対策に効果があると考えられている代表的なサプリを紹介しよう。

マグネシウム インスリンの分泌を増やす効果
ビタミンB群 炭水化物のエネルギー化、脂質の代謝を促進
EPA・DHA 血液をサラサラにする効果
セサミン 高コレステロール対策、抗酸化作用

3 適度な運動

運動は糖尿病予防に欠かせないと言われているが、特別激しい運動をする必要はない。1日30分前後、1万歩を目安に歩くだけでも充分に効果がある。特に効果的なのは食事の1時間後の運動で、とにかく食事で摂取したエネルギーをしっかり使うことが大切だ。

なかなか自覚することが難しい病気「糖尿病」。そのため、定期的に健康診断を受けていないと、気づかないうちに症状が進行してしまうこともある。今回紹介した対策についても、個人差があるので必ず効果があるとは限らない。糖尿病は非常にリスクの高い病気のため、気になった人は医療機関を受診するようにしてほしい。

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StartHome編集部

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