近年、地震や洪水などによる大規模停電が多発し、人々の防災意識はこれまでにないほどの高まりを見せています。
そんな中一際注目を集める防災グッズは、バッテリーの進化によって安価に入手できるようになったポータブル電源です。
しかし、ポータブル電源はまだ普及して間もない製品のため、購入するにあたって選び方がわからない、という方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では災害用備蓄品としてのポータブル電源に最低限必要な容量などの選び方の基準、また、おすすめのモデルをご紹介していきます。
ポータブル電源とは
『ポータブル電源』とは、持ち運びができる大容量バッテリーのことを指します。本体に内蔵されたバッテリーに電気を蓄えて、外部の機器に給電することができるため、電源のない環境でもPCやスマートフォンなどの電化製品を充電することが可能です。モバイルバッテリーと比較すると、蓄電容量や出力方法が多彩な点などが異なります。
ポータブル電源はUSB出力だけでなく、家庭用コンセントやシガーソケットなど、あらゆる出力端子を搭載しているため、電源の確保が難しいキャンプや車中泊などのアウトドアシーンや、停電の発生に備えた防災対策、さらには自宅でのDIYでの電源利用など、生活のあらゆるシーンで活用できる製品として注目を集めています。
防災グッズとしてのポータブル電源、どうやって選べばいい?
ポータブル電源の購入を検討する際に気を付けたいのが、①バッテリー容量(Wh)②消費電力(W)③出力端子の種類④波形の4項目です。ここでは、それぞれの項目について詳しく解説していきます。
①バッテリー容量(Wh)
ポータブル電源の購入を検討する際に最も重要な指標の1つがバッテリー容量です。バッテリー容量は「Wh(ワットアワー)」という単位で表され、これは100Wの電化製品を何時間使用できるかということを示しています。例えば、300Whのポータブル電源であれば、100Wの電化製品を3時間使用できるということになります。
つまり、この数値が大きければ大きいほど、ポータブル電源の容量も大きいということです。
容量が大きければ長時間にわたって電化製品を利用することができますが、価格が高くなったり、本体のサイズや重量が大きくなるため、用途や使用する人数に合わせて適切なものを購入することが重要です。
参考までに300Whの容量のポータブル電源で使用できる電力量の目安を以下に記載します。
<300Whのポータブル電源の電化製品使用例>
・ノートPC 約4回
・スマートフォン 約28回
・LED照明 約22時間
・電気毛布 約5時間
・扇風機 約15時間
購入するポータブル電源の変換効率によって多少前後しますが、300Whのポータブル電源の電力量は上記がおよその目安となります。
停電発生時、情報収集用のスマートフォンの充電が主用途であれば、300Whのポータブル電源で十分な容量と言えるでしょう。
②消費電力(W)
消費電力は、電化製品を動かすのに必要な電力量を表す「W」で示される単位です。ポータブル電源には「出力可能な最大消費電力 (W)」が設定されており、これを上回る電力が必要な電化製品を使用することはできません。
たとえばノートPCなら50~100W、小型炊飯器なら300Wほどの電力が必要です。「ポータブル電源を購入したものの、使いたい電化製品には使用できなかった。」といったことにならないように、災害時に使用を想定している電化製品の消費電力とポータブル電源の出力量を確認しておきましょう。
<主な電化製品の消費電力>
・LEDライト 10W
・スマートフォン 10W
・電気毛布 50W~100W
・ノートPC 50~100W
・デスクトップPC 150~300W
・小型炊飯器 350W
・冷蔵庫 150~500W
・電気ポット 700~1,000W
③出力端子の種類
ポータブル電源を選ぶにあたって、出力端子の種類も重要な要素の1つです。出力端子とは、外部機器へと給電する際に使用する端子のことで、USB出力や家庭用コンセント、シガーソケットやDC出力などがあります。
4種類すべての出力に対応している製品もあれば、2~3種類しか対応していない製品もあります。また、使用頻度の高い家庭用コンセントやUSB出力端子を多く備えている製品もあります。
停電発生時に1台のポータブル電源を利用する合計人数にもよりますが、一般的な出力端子である家庭用コンセント(AC出力端子)やUSB出力端子を多数備えている製品を備蓄していれば、いざという時に複数の電化製品を同時に充電できるので便利です。
④波形
ポータブル電源のAC出力には、正弦波、修正正弦波、短形波という3種類の波形がありますが、これら3つの波形のうち「正弦波」のポータブル電源がおすすめです。
一般の家庭でコンセントから使用している電気は「正弦波」です。そのため、正弦波のポータブル電源であれば、自宅のコンセントと同じように使用することができます。
しかし、修正正弦波や短形波のポータブル電源の場合、機器によっては故障の原因になる可能性があるため、注意が必要です。
もし容量や出力が同スペックで、波形のみ違うモデルで悩んだ際には、正弦波のポータブル電源を選ぶと間違いないでしょう。
防災にお勧めのポータブル電源は?
FLASH150
AiperのFLASH150は、1.8kgと軽量モデルのポータブル電源。コンパクトサイズのモデルのため蓄電容量は162Whとそれほど多くはありませんが、スマートフォンであれば約15回充電可能なため、1人暮らしの方が防災対策として備蓄しておくには十分な容量があります。
また、出力端子も一通り搭載されているため、さまざまな電化製品に給電することが可能です。本体にはLEDライトが搭載されており、災害時の夜間にはライトとしても活躍します。
本製品が修正正弦波である点は懸念されますが、本体のコンパクトさと充分な容量を備える点や、出力端子の充実などの特徴は、懸念点を上回るメリットとなるでしょう。
<スペック>
蓄電容量:162Wh
定格出力/最大出力:150W/200W
出力端子:AC,USB×2,Type-c,DC,シガーライター、QC3.0
サイズ:255mm×108mm×130mm
重量:1.8kg
波形:修正正弦波
ELECTRO500
AiperのELECTRO500は、540Whの大容量モデルでいざという時に頼りになるポータブル電源です。
出力端子が多彩で定格出力500Wと力強いモデルのため、多くの電化製品へ使用することが可能です。
また、正弦波のポータブル電源のため、自宅のコンセントと同じようにAC出力を使用することが可能です。容量、出力、波形とどれも申し分なくバランスの良い製品のため、災害備蓄品として一家に一台備えておくと安心です。
<スペック>
蓄電容量:540Wh
定格出力/最大出力:500W/1,000W
出力端子:AC×2,USB×2,Type-c,DC×2,シガーライター、QC3.0×2
サイズ:240mm×190mm×238mm
重量:7.5kg
波形:正弦波
自分にぴったりのポータブル電源を選ぼう
停電発生時に電気を利用する人数や、使用する電化製品の種類などによって、購入すべきポータブル電源は異なります。もしもの時に備え、万全な防災体制を整えておくために、今回ご紹介した①バッテリー容量(Wh)②消費電力(W)③出力端子の種類④波形の4項目を参考に、ご自身にあったポータブル電源を選んでみてはいかがでしょうか。

StartHome編集部

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