2018年に是枝裕和監督が、『万引き家族』でカンヌ国際映画祭のパルムドールという最高の栄誉に輝いたことは記憶に新しい。その受賞直後から制作に向けて動いていた、監督初となる国際共同制作映画『真実』が2019年10月11日(金)より公開される。

主演には、映画界の至宝と言われるカトリーヌ・ドヌーブを迎え、どこかユーモラスでありながら、人間と人間の心の葛藤を鮮やかに描き出した作品だ。

真実ポスタービジュアル
©2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA

「真実」に彼女は何を綴ったのか

世界中にその名を知られ、活躍する国民的大女優のファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)が、「真実」というタイトルの自叙伝を出版することとなった。

出版を祝うために、アメリカで脚本家として活躍しているリュミエール(ジュリエット・ビノシュ)と、その夫でテレビ俳優のハンク(イーサン・ホーク)、娘のシャルロット(クレモンティーヌ・グルニエ)が、パリの家を訪れる。

他にも、公私にわたってファビエンヌの世話をしている秘書リュック(アラン・リボル)、ファビエンヌの元夫、そしてファビエンヌの現在のパートナーが出版祝いを口実に家に集まるが、皆の関心はただ一つ、「ファビエンヌは一体何を綴ったのか」ということだった。

「ママ、あなたの人生嘘だらけね」

気ままで不遜、奔放に生きるファビエンヌは、子育てよりも女優業を優先して生きてきた。その事実は娘のリュミエールの心にも影を落とし、ことあるごとに二人は衝突する。

ファビエンヌの自叙伝「真実」を読んだリュミエールは、母に「この本のどこに”真実”があるのよ」と詰め寄るも、ファビエンヌは平然と「事実なんて退屈だわ」と言い放つ。

怒りが収まらないリュミエールだったが、ファビエンヌの秘書であるリュックが「真実」には一行も自分のことが書かれていなかった、と突然の辞職を宣言し、秘書の役目を託されてしまう。

付き人として、母の撮影に同行するリュミエールは、母が「真実」に書かなかったエピソードを次々に思い出す。そしてその夜リュミエールは、どうしても許せない母の重大な秘密を家族の前で突き付けてしまうのだが……。

是枝裕和監督初の国際共同制作映画

是枝監督の「読後感の明るいものを作りたいという想いが強くありました。」という弁にもあるように、母と娘の確執という重いテーマを扱いつつも、非常に明るいトーンに仕上がっている今作。

日本のフランスの映画製作文化の違いはあれど、話し合いを重ねることで、是枝監督らしい作品となり、オールアップの際には若手もベテランも皆「コレエダとの仕事は本当に楽しかった、ぜひまたやりたい!」という言葉で締めくくられたという。

主演のカトリーヌ・ドヌーブの蠱惑的な魅力と、彼女を取り巻く個性豊かなキャラクター達の掛け合いで、不器用な家族が過ごす7日間を鮮やかに描き出されている。観客は、家族の心の葛藤に寄り添い、違う価値観を持った家族が、それでも一つにまとまろうとするさまを観て、家族とは何なのかを考えることだろう。

映画『真実』の予告編はこちら

《クレジット》
■タイトル:真実
■ 公開:10月11日(金)TOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開
■ 原案・監督・脚本・編集:是枝裕和
■ 出演:カトリーヌ・ドヌーヴ『シェルブールの雨傘』/ジュリエット・ビノシュ『ポンヌフの恋人』/イーサン・ホーク『6才のボクが、大人になるまで。』/リュディヴィーヌ・サニエ『8人の女たち』
■ 撮影:エリック・ゴーティエ『クリスマス・ストーリー』『夏時間の庭』『モーターサイクル・ダイアリーズ』
■ 配給:ギャガ ©2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA
■ 公式サイト:gaga.ne.jp/shinjitsu/