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ビジネスシーンはもちろん、日常でも、文章を作る機会は何かと発生しますよね。そんなとき、いくつかの読みやすい文章のポイントを心掛けるだけで、相手に伝わりやすい文章にすることができます。
今回は、そんな「読んでもらえる文章の書き方」を紹介します。

大前提!中学三年生でも理解できる文章に

読みやすい文章のポイントとして最も重要なのは「難解な書き方をしない」こと。この原則は、固い文章でも、柔らかい文章でも変わりません。
難解な単語や表現を多用した文章は、一見知的に感じられますが、一番大切な伝えたい情報がぼやけてしまうので気を付けましょう。例えばその文章を、「中学三年生が読んでも理解できるものかどうか」を指標にしてみるのがおすすめです。
文章は相手に読んでもらうためのもの。常に読み手を意識した書き方ができているか、気を付けてみてくださいね。
それでは、読んでもらえる文章を作るうえで、大切なポイントを5つ紹介しましょう。

読んでもらえる文章の作り方:5つのポイント

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以下に紹介するポイントを抑えるだけで、文章がぐっとわかりやすくなります。どれも些細な気遣いになりますが、文章を書く上で外せないポイントばかりですよ。

ポイント1:一文を短く書く

長くてまとまりのある文章を書く場合でも、一つ一つの文は極力短くまとめることを意識しましょう。一つの文が長くなればなるほど、読んですぐに理解するのが難しくなります。一つの文に複数の要素を入れるのではなく、情報を絞って短い文を重ねたほうが、理解しやすく読みやすい文章を書くことができますよ。
例えば、

 ▶太郎はコンビニ店員をしながら、文章を書くことを副業にしているが、このところコンビニ店員の仕事をたくさん入れてしまったため、どうにも忙しく、文章を書くまとまった時間が取れずにいるので、俺の人生はこのままでいいのだろうかと思うことが増えてきて、焦りとも不安ともつかない思いを抱えたまま、お金のためにとりあえず仕事には出かける日々を送っていた。

この文章には、「太郎がコンビニで働きながら文章を書く副業をしていること」「忙しくて時間がないこと」「人生に対して焦りを感じていること」という3つの情報が盛り込まれています。それぞれの要素を一つの文に落とし込みながら書き直してみると、

 ▶太郎はコンビニで働きながら、文章を書くことを副業にしている。しかしこのろころ、コンビニ店員の仕事をたくさん入れてしまったため、文章を書くまとまった時間が取れずにいた。俺の人生はこのままでいいのだろうか、と焦りとも不安ともつかない思いを抱えながら、とりあえず仕事に向かう日々を送っている。

といった具合に、まとめることが可能です。ここで重要になってくるのが、次に挙げるポイントです。

ポイント2:文末に気を遣う

短い文章を連ねて書く際に陥りがちなのが、文末が単調になってしまうこと。
例えば、

 ▶花子は犬を飼っていた。その犬は三毛猫のように三色のまだら模様になっていた。他の犬と比べるとクールな性格なのか、一番世話をしている花子にもあまり懐いていなかった。

このように、同じ文末文句が続くことを連続語尾と呼びます。これをすると文章にリズム感がなく、読みにくくなってしまうので、

 ▶花子は犬を飼っている。その犬は三毛猫のように三色のまだら模様になっていた。他の犬と比べるとクールな性格なのか、一番世話をしている花子にもあまり懐いていない。

と同じ語尾が続かないよう配慮することでリズム感が生まれ、読みやすい文章を書くことができます。

また、「球体は、完璧といえる立体。」といった、名詞で文章を終えることを「体言止め」と呼びます。この手法は文章を印象的にする一方で、多様すると読みにくくなってしまうので、気を付けましょう。

ポイント3:基本的なルールを守る

文章には、書き方のルールが多く存在します。よく使われるものを例に挙げると、「たり、」は2つ以上のものを並列して並べる、というルールがあるので、

 ▶赤だったり、ピンク色の花が咲き乱れる様子は、非常に美しかった。

という使い方は正しくありません。

 ▶赤だったり、ピンクだったりと、色とりどりの花が咲き乱れる様子は非常に美しかった。

とするのが正しい書き方になります。
他にも文章にはたくさんのルールが存在します。文章の書き方についてまとめてある本などを一読して知っておくことで、より分かりやすい文章を書くことができるようになりますよ。

ポイント4:表現のダブりに注意

これもよくやりがちなミスの一つなのですが、一つの文の中で表現をダブらせていないかをよく確認しましょう。
極端な例ですが、「水を放水する」という表現や「上に上昇する」といった表現がダブり表現にあたります。こういった表現は、左記に挙げた例でいうと、「水をまく」「上昇する」など一言で置き換えられる場合が多いですよ。
些末なポイントではありますが、これを正すことで文がぐっと洗練されるので、端的な言いかえができないかどうか、よく注意してみてくださいね。

ポイント5:必ず音読してみる

文章を書き終えたら、必ず音読してみる癖をつけましょう。もちろん声に出す必要はありませんが、実際に自分で読んでみることで、その文章にきちんとリズム感があるかどうか、連続語尾やダブり表現をしていないかを確認することができます。
書いているときは、さほど違和感を感じなかった表現が、全体を通してみると違和感を感じるということもよくあります。客観的に自分の文章を見る癖をつけましょう。

文章力を上げるためには読書が一番!

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他にも、文章を書く上で注意するポイントはたくさんあります。それらを知ることはもちろん大切ですが、それ以前に、正しい日本語表現で書かれた文章をたくさん読むことが必要です。
近年、WEBメディアが多数存在し、様々なタイプの記事を目にする機会があると思います。しかし、スピード感を重視するWEBメディアの記事は、きちんとした日本語の校正を通していないことも多く、またクラウドソーシングサービスの発展によって、何となく文章を書ける程度の人がライターと称して記事を量産しているケースも多々あるので、可能な限り、きちんと校正の入った本を読んで、磨かれた表現を身に着けるよう意識してみてくださいね。
その際、何となく読み進めるのではなく、表現や語尾などによく注意してみることで、文章の幅が広がりますよ。

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