高血圧ばかり気にしてない?

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健康診断の時期になると「血圧が高かった…」時にされる方は多いと思います。しかし、低血圧は問題にならないからとの自己判断で気にしない方が多いもの。本当にそうなのでしょうか。

血圧とは、心臓のポンプ機能によって全身に血液を送り出す圧の事です。一定の圧があることで、一定の血流が保たれ、各臓器など全身に血液が巡っています。圧が高すぎると臓器や末梢血管に負担がかかりますが、低すぎると血流が不足し、細胞が酸素不足・栄養不足になるのです。

血圧は収縮期130未満且つ拡張期85未満が正常です。血圧は高すぎても低すぎても良くありません。適性血圧知り、自分の血圧を把握しておくことが肝要です。

実は怖い低血圧

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WHOで低血圧とは収縮気圧が100以下の血圧の事を言いますが、診断上の明確な数値の決まりはありません。

原因による分類は以下の通りです。

1. 本態性高血圧(ほんのうせいこうけつあつ)

遺伝的要因で体質によるもの。自覚症状が無く、問題とならないことが多いのがこのタイプの低血圧です。低血圧の方の8割がこのタイプだと言われています。一般にやせ型で筋肉量が少なく、体力が無い方が多いと言われていますが、全ての低血圧の方がこのタイプではありません。

2. 起立性低血圧(きりつせいていけつあつ)

座った状態から急に立位になった時に急激に血圧が下がり、上半身の血流が不足し、脳の酸素不足によりめまい・立ちくらみ・時に意識消失を起こすもの。意識消失時に頭部打撲を起こすことがあるので注意が必要です。

3. 症候性低血圧(しょうこうせいていけつあつ)

心筋梗塞・不整脈・代謝性疾患(甲状腺機能低下症など)・パーキンソン病などの原疾患があることによって血圧が低下するもの。

心筋梗塞や不整脈は自覚症状があったり、すでに通院済みの方が多いのですが、見逃されがちなのが甲状腺機能低下症です。主婦や自営業で検診を受けていない方が気付かずに進行している場合があります。倦怠感・朝起きられないなどの症状が続く場合は一度血圧を測定しましょう。

4. 二次性低血圧(にじせいていけつあつ)

原疾患があることで血圧が低下するもの。癌・血液疾患(白血病など)貧血・肝硬変など。これらの疾患は健康診断を受けていない方は知らないうちに進行している場合があります。

貧血などは時間をかけて少しずつ進んだ場合、体が慣れてしまい、自覚症状に気づかない方も多いのです。低血圧による症状が疾患のサインであることもあります。

低血圧は改善できる??

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遺伝的な低血圧で自覚症状のない場合は改善を試みる必要はないでしょう。

しかし、めまい・立ちくらみ・午前中に力が出ないなど日常生活に支障が出るようでしたら、受診をした方が良いでしょう。

子供の場合低血圧が原因で朝起きられず、不登校になるケースがあります。小児神経内科の先生が専門で診る病院があります。大人は循環器内科などを受診しましょう。

それと並行し、日常生活の改善を図ります。

筋肉量を増やすと低血圧が改善されることがあります。食事はチーズや魚などたんぱく質の多いものを努めて摂取し、ウォーキングなど軽い運動も取り入れるようにしましょう。

貧血の原因が他の疾患の場合は原因となる病気の治療を行います。

低血圧にも目を向けて!

高血圧については気にする方が多いものの、低血圧は放置されがちです。自覚症状があっても軽く、気が付かない場合も多いもの。

低血圧に隠れた疾患がある場合もあるので、血圧計は一家に1台用意し、低血圧かな?と思ったら手帳につけて確認してみるようにしましょう。記録があると、受診の時もスムーズです。

 

記事執筆:島谷 優花

看護師歴20年。外科系小児・成人の病棟、急性期病院外来経験を持つ。患者さんへの療養指導・生活習慣指導経験から「専門職がわかりやすく病態生理を説明することの重要性」を実感。健康や病気への疑問をわかりやすく伝えることを心がけている。

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