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Live.meで毎週木曜日21:30~公式配信中の弁護士 大渕愛子先生による法律相談。
今回は「公正証書」についての質問にお答えします。

「公正証書」とは?

Q:公正証書ってなんですか?

A:公正証書というのは公証人という法律の専門家の方が作成してくれる文書です。契約書を公正証書にすることが多いのですが、契約の形式的な効力というのが非常に強くなります。公正証書にしておくととても安心。

みなさんは公正証書という言葉は聞いたことがあると思いますが、何たるか知っているでしょうか。
どんな時に役立つの?何かいいことあるの?というのが今日のテーマです。

知っておいて得する知識と言うか、損はない知識なので是非みなさんに押さえておいていただきたいと思います。
「公正証書」、どんな時に聞いたことありますか?
離婚で養育費が滞った時に差し押さえできるという話がありましたが、離婚の時にも離婚協議書を公正証書にしたりします。
それは離婚時だけなのかというとそうではなくて、公正証書は、契約書の延長という感じで、全てのいろんな契約書を公正証書にすることができます。

契約書以外にも遺言であるとか、そういったひとりでする行為についても、公正証書にすることができるものもあります。
遺言はちょっと置いといて、契約書を公正証書にすると何がいいの?という点をお話ししたいと思います。
契約書当事者同士で「お金を借ります」や、「お金を支払います」など、離婚の時もそうですね、「財産分与もらえます」「払います」など、そういう合意書についてですが、契約書を結んでいれば、法的に有効となります。
ですから「なぜ公正証書にしなきゃいけないの?ただの契約書と何が違うの?」と思いませんか?

もちろん契約書をつくる際、当事者間で署名して、日付書いて、そういうものでも法的に有効な書面です。

簡単な例でお話しますね。
たとえば、「お金借ります」「貸します」という契約書だとします。

お金を返してもらえないから、「お金をこの契約に基づいて返してください」と、貸した方が言うと仮定します。

そうすると、この契約書というのがそもそも有効なものなのか、というところから裁判所で争わなきゃいけなくなることがあるんです。

つまり相手の人は「これは無理やり書かされたんです」とか「実際にはお金借りてないのにサインさせられたんです」とか「実態のない契約なんです」といろんなことを言えるわけですよ。「偽造なんです。私は署名してません」などですね。
そのような「契約が有効に成立しているか」、というところまで争われてしまうことがあります。
契約書といえども、非常に不安定な要素があるんですね。

そういうところを、公正証書にしておくとだいぶクリアにできます。

なぜなら公正証書というのは「公証人」という信頼できる人間が間に立って契約書を作成するわけです。
ですから、その人がしっかり当事者のことを見てますし、その上で作成してるものですから、当事者もその成立については否定ができないということですね。

契約の形式的な効力というのが非常に強くなります。
そういう意味で公正証書にしておくととても安心。

公証人は公証役場、たくさんあるんですけど、皆さんも通ってる道、日常的に通ってる道にも公証役場ってあるはずなんです。
公証人はどういう人かというと、元裁判官だったり元警察官だったり法律の専門家の方がなってるんですね。

ですから契約書の内容についても、違法な内容だったり、無効になるような内容が含まれていれば指摘してくれます。
素人同士が作った契約書というのは違法で無効になることも可能性としてあります。
そういう可能性を排除できる、という意味でもメリットがあります。

さらに、先程差し押さえという話が出ましたけれども、金銭債務の支払い義務もそうですし、財産分与、慰謝料など、先ほど言ったお金に関する債務ですね。

こういったものが書いてあったとしても、裁判所で請求して強制執行するためには一回訴訟を起こして、この契約書に基づいて支払ってくださいっていうことを訴えなきゃいけないんです。

「あなたはいくら支払なさい」という判決をもらって、やっと差し押さえができるということになります。

普通の契約書を公正証書にしておくと、不払いがあった時には強制執行に服しますという一文を入れるだけで、裁判を経ずに強制執行をすることができる。
すぐに支払わなかった債務者に給料差し押さえの申し立てができるという意味で、ワンステップ省略できるので、特に金銭債務については公正証書にしておくと債権者としてはとても安心で、債務者としてはちょっとプレッシャーになります。
それではここからは、視聴者の方からのコメントにお答えしていきますね。

Q:違法かどうか判断してくれるのは安心ですね

A:そうですね。公序良俗っていうのが民法の定めにあるんですけど、公序良俗に反してはいけないっていうのがあって、なかなか公序良俗に反するかどうかっていうのは素人が判断するのが難しいので、公証人の方に見てもらうと安心です。


Q:内容証明との違いを教えてください

A:内容証明は、郵便局にどんなものを送ったかを証明してもらうものなので、公正証書とは全く違って、ただ郵送物を送り届けました、こういう内容のものを送り届けました、ということを証明してくれるだけです。

内容の適法性とかそういうものは担保されてませんし、それがあるからといって強制執行されるとかそういうことでも全くなくて、ただの送った内容が証明できる郵便物ということです。

内容証明が来ると何か訴えられたような気がして、ドキッとするみたいなんですけど、内容証明が来たからといって驚くことはなくて、
内容証明というのはお手紙の証拠が残るもの、というふうに考えておけばいいと思います。


Q:弁護士さんが入って作成した契約書だったら公正証書と同じぐらいの効力になるんですか

A:公正証書よりは劣ると思います。弁護士さんが立会人として証明したりとかすると、当事者間で契約したものよりは効力が高いと思いますけれども、公平中立な弁護士さんとも限らないですし、やっぱり公正証書になると公文書なので、やっぱり私文書とは違いますね。
公証人はどちらの味方もしないものなので、公証人というのは弁護士が立ち会って作るよりもより信用性とか効力は担保されると考えます。

Q:公正証書を作成するの、お金はどれくらいかかりますか

A:公正証書は作成料というのがかかります。公証役場に支払う手数料ですね。
それはどういう文章かによって金額も変わるんですけど、そんなべらぼうに高いわけではなくてはありません。
でも1万円は超えることが多いですね。枚数にもよりますし、請求の金額などにもよるので、個別に公証役場に問い合わせる必要があります。

▼大渕愛子Profile

【生年月日】1977年8月12日
【血液型】A型
【出身地】東京都
【趣味】ふなっしー、猫、中国語、漢字
弁護士活動やママタレントとしてテレビなどを中心に活躍中

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