日本人の歯を失う原因は、子どもの頃はむし歯が多いのだが、30代以降になると実は歯周病の割合が上回ってくるという。では、歯周病とは、どのような病気なのだろうか?

そもそも歯周病とは

歯周病とは、字が表している通り、歯の周り(=歯周組織)の病気のこと。過去には歯槽膿漏と呼ばれていたこともあり、聞いたことがあるという人もいるだろう。歯周組織とは、歯を支えている組織のことで、歯肉(しにく)、歯槽骨(しそうこつ)、歯根膜(しこんまく)、セメント質から構成されている。歯肉とは歯茎のこと、歯槽骨とは歯を支えている骨のこと、歯根膜とは歯と歯槽骨を繋げている靭帯の様な薄い膜のこと、セメント質とは歯の根と歯根膜をつなげている部分となる。歯が無くなれば、歯周組織も無くなるので、歯周病も無くなる。つまり、歯周病は歯がなければ起こらない病気なのだ。

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歯肉炎や歯周炎とは違うのか

歯周病に似た名前の病気に、歯肉炎や歯周炎がある。実は、これらの総称が歯周病となり、歯周病は炎症の波及した部位によって、歯肉炎と歯周炎に分けられている。歯肉にのみ炎症を起こし歯槽骨にまで及んでいない状態を歯肉炎、歯肉炎からさらに進んで歯槽骨にまで炎症が到達したものを歯周炎と呼び、歯周炎のほうが歯肉炎と比べてより進行した状態であるといえる。

歯周病の原因とは

では、歯周病の原因とは何なのか? それは、歯周病菌とよばれる細菌で、歯周病菌は1種類だけではなく、多くの種類がある。確実に関連していることがわかっている細菌だけでも3種類、関連性が濃厚であるものが7種類、関連性が疑われるものが5種類。ただし、確実性のある細菌がかならず病原性をもっているわけではなく、同じ細菌でも病原性の強さが違うもの複数が組み合い原因菌となり毒素を発生させ歯肉に炎症を引き起こすといわれている。

歯周病菌はどこにいるのか

歯みがきのCMなど、プラークコントロールという言葉を聞いたことはないだろうか? 歯の表面を爪や爪楊枝でこすったら、その先に白いカスのようなものがとれることがある。これがプラークだ。この白いカスの正体が、細菌の塊だ。ちなみに、細菌の塊という意味で、近頃はプラークではなく、バイオフィルムともよばれている。歯周病菌は、このプラークの中におり、プラーク中の細菌は歯周病菌だけではなく、ミュータンス菌が多いのですがむし歯菌や、真菌(しんきん)とよばれるカビの菌なども住みついているという。

歯周病の症状とは

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まず歯茎が腫れはじめ、特に最初は歯と歯の間から起こることが多いんだとか。歯茎が腫れた初期段階で適切な治療を受けることができればよいのだが、そうでない場合、症状は進行し、歯を支えている歯槽骨に炎症が及びぶ。すると、歯槽骨が吸収されて減っていき、歯がグラグラと動き出す。最後には歯槽骨が歯の根の先まで減っていき、歯が抜けてしまうこととなる。

歯周病を防ぐためには

歯周病予防には、歯周病菌が歯肉を傷めるのを防ぐことが重要に。そこでポイントとなるのがプラークコントロールだ。プラークコントロールとは、プラーク(=細菌)をコントロール(=制御する)ということで、すなわち歯周病菌を減らし、歯肉に炎症を起こさせないようにすることが大切なのだ。ところで、プラークコントロールは歯周病菌だけを減らすわけではなく、歯の周囲にいる細菌数全体を減らすことができる。プラークコントロールにより細菌数を減らすことができれば、歯周病菌だけでなく、むし歯菌や真菌などその他の病原微生物を減らすことにもつながるのだ。そう、プラークコントロールを確実に実行出来れば、歯周病以外のお口の病気を防ぐことも不可能ではないということとなる。

プラークコントロールを確実なものにするためにはどうすればよいのか

このプラークコントロールをしっかりと行なうためには、自宅だけでなく、歯科医院でのケアが必要となる。自宅でのケアとは、日常行なっている歯みがきのこと。毎食後の歯みがきの際、歯間ブラシや糸ようじを使い、歯と歯の間まできれいに磨くことがポイントに。一方、歯科医院でも定期的にケアを受けることができる。日々の歯みがきでは、どうしても磨けない部分があったり、歯の表面についた石の様に硬い付着物である歯石は歯みがきではすべて取ることはできない。歯石の周囲も細菌が繁殖しやすい場所となり、専用の器械を使わなければ取り除くことはできないのだ。歯科医院では、歯石の除去や磨き残し部分の掃除をし、必要に応じて磨き方の練習もしてもらえるという。

歯周病は、歯を失う原因にもなりかねない病気である。歯周病を防ぐには、プラークコントロールが大切だ。自宅での歯みがきだけでなく、定期的に歯科医院でケアをし、歯周病を防ぐよう心がけが必要だ。

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