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日本一の星空ナイトツアーをご存知だろうか。
Webサイトで、「星空 日本一」や「星空 ツアー」と検索をすると、1つめか2つめの上位に出てくるのが長野県阿智村の「スタービレッジ阿智」で開催されている「ヘブンスそのはら『天空の楽園 日本一の星空ナイトツアー』」である。
阿智村ってどこっていうほど知名度は高いとは言えない村。
そんな人口7,000人弱の村に、今最もアツい、日本一の星空ナイトツアーがあるのだ。
東京や大阪から車で4時間離れており、バスや電車は乗り継がないと行かれない阿智村。
そんな場所であるにもかからず、そのナイトツアーに大勢の人が集まるその魅力について迫ってみたい。ナイトツアーにGO!

1.最高の満天の星空

「日本一美しい星空」。これは単なる宣伝文句ではない。2006年環境省から「星が最も輝いて見える場所」の認定を受けたものである。世界の人口の80%%以上が人工の光の影響下に暮らしており、日本の人口の7割、北米の人口の8割が肉眼で天の川が見えない状況で生活しているという現代。都会ではめったに見ることのできない天の川が良く見える、満天の星空が阿智村で眺めることができるのだ。阿智村の星空は、「死ぬまでに行きたい!世界の絶景 日本編」(詩歩著/三才ブックス)にも紹介されている絶景なのだ。

2.天空の楽園

天空の楽園 星空ナイトツアーは、阿智村の富士見台高原の「へぶんすそのはら」で開催される。
標高1,400mの山頂での星空観察なのである。山頂は、街の光は届かない。
それでは、山頂までどうやって行くか。
全長2,500m、所要時間15分のゴンドラに乗っていくのである。
ゴンドラに乗る前の、ふもとの山麓駅では、トイレの男女別を表す表示が宇宙人だったり、カフェや店舗その他が宇宙船を想像させるような光の表示がなされている。
ゴンドラの山麓駅はベガ、山頂駅はデネブという名前。ベガはこと座の一等星、別名おりひめ星、デネブははくちょう座の一等星である。詳しい方は、あれっ。彦星のアルタイルを忘れているのでは?と思ったのではないか。忘れてはいない。このツアー、バスからの出発を考えていて、ふもとの昼神温泉のバス停が「アルタイル」になっている。ちなみにバスの名前は、「アンタレス号」である。
これだけで、期待を掻き立てる。すでにナイトツアーは始まっているのである。
ゴンドラの車内は、なんと照明はない。真っ暗だ。それゆえ、暗い中で、車内から星空がみえるのだ。
なお、8月のこの時期は2部制になっていて、17:30-19:30までにゴンドラに乗って参加するツアーと20:00-21:00までにゴンドラに乗って参加するツアーと1日2回開催されている。

3.山頂に到着して

山頂は、ふもとより少し気温は低い。ゴンドラで到着すると山頂駅では、もちろん、明かりがついていて、マウンテンロッジも営業している。会場は、山頂駅から少し下った芝生の広場。会場には、巨大なスクリーンが用意されている。
実は、山の天気は気分次第であることや、せっかく来たのに天候が悪い場合で、星が見えないことが万が一あったとしても、十分楽しめるように、スクリーン映像なども用意しているのだ。万一、雨が降ったら、雨具は必要だが、せっかく山頂に着た方に、それだけで中止ということにはならないよう、曇りでも雨でも、楽しめるような仕掛けを用意しているのだ。もちろん、晴れていることに越したことはないが。
指定された時刻までに、ツアー参加者すべてが、観察場所のレジャーシートの上に寝転んで待機する。
「では、隣の人と手をつないで、空を眺めてください。5,4,3,2,1・・・、ゼロ!」
カウントダウンの掛け声とともに、周りのライトが一斉に消える。
すると、舞台の幕があがったように、満天の星空が浮かび上がる。
「うわあ~」
ツアー客全員から、一斉に歓声が上がる。
まさに、星空エンターテイメントである。
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4.ツアーガイド

ツアーを楽しんでもらうために、また、前述の通り、天候にかかわらず楽しんでもらえるように、ちょっとしたイベントはあるが、イベント終了後、満天の星空の観察ができる。
ただ、星空を見ているだけで、心が洗われる気分にはなるが、星について何もわからなくても、全く心配はない。星空ツアーガイドが、ちゃんと星の解説をしてくれる、強力なサーチライトを使って、天空の星空のポインタとするのだ。そして「この星はデネブです」とか「天の川はこのあたりです。見えますか?」「夏の大三角形はここです。」のように。
教科書や図鑑で見た星空が本物の星空になって、まるでプラネタリウムのようになって、星空観察ができるのだ。
快晴で、星空指数が高いに越したことはないのだが、山の天候は変わりやすいので、良くても悪くても、きれいな星空が見えるように祈ることも、このツアーの楽しみかもしれない。
消灯時間は30分ほどだが、物足りない気もした、ただ、都会の喧騒を忘れるようなこの体験は、代えがたい価値があると思う。

5.ナイトツアーの後は

阿智村には「昼神温泉」という温泉場がある。歴史はさほど古くないが、美肌の湯としても知られている。泉質はアルカリ性単純硫黄泉である。少しだけ硫黄の香りがする。できれば、ナイトツアーの際には一泊して、おいしい料理と温泉に浸かって疲れを癒していただきたいと思う。この時期は、この辺りでしか出回らない、全長30cm程度の「ていざなす」を食すことができたりする。
また、一泊した翌朝、昼神温泉郷の広場周辺で午前6:00-8:00までの間、朝市が開催されている。
野菜や果物、漬物やハチの子、イナゴなどのつくだ煮なども売られている。さきほどの「ていざなす」も販売されていた。おいしい食事、温泉、朝市での買い物も、この星空ツアーのオプションとしては、最高のオプションであると思う。
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6.最後に

夏には、夏の大三角形、また、これから、8月中旬にはペルセウス座流星群もある。夏休み中はもちろん、秋になれば、空気も澄んでくるので、星空観察には絶好の時期にもなる。
このツアーが最初3名しか参加者がいなかったというのは信じられない。
東京からは少し遠いが、たまには満天の星空を眺めに出かけてみるのもいいのではないか。

スタービレッジ阿智
http://sva.jp/

昼神温泉
http://hirugamionsen.jp/

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StartHome編集部

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