本当のところ、どれが健康に良くて、なにが健康に悪いのか。情報の精査が早く、多種多様な文化や様々な商品の入り交じる現代では、昨日の常識が今日の非常識になりかねない。そんな現代において「本当のところ」にたどり着くのも一苦労。そこで、世間一般で言われているコーヒーの風説について各種データを交えて検証してみることにしよう。

*この記事は2016年10月31日現在までのデータを基に書いています

【3つの疑問】コーヒーは不老不死の秘薬になりうる?

Coffee cup with coffee bean on brown wooden table in still life and filter color tone

その1:コーヒーは適度に飲むと長生きできる?

こんな噂を聞いたことはないだろうか。「コーヒーは長生きの秘薬」。2015年、国立がん研究センターが発表した研究結果によると、1日3〜4杯のコーヒー摂取が死亡リスクの低下と大いに関連するとのこと。コーヒーの何がどう効いているのかと言うことは定かではないが、信ずるに足りうるものに思える。

同センターの発表によれば、コーヒーに含まれるクロロゲン酸には、血糖値の改善や血圧の調整をする働きがあり、カフェインには血管内皮の機能を改善する効果があるという。その結果、心疾患や脳血管疾患、呼吸器疾患などのリスク低下につながるのではないかと予想している。また、糖尿病リスクの低下にも効果があるという見解もあるようだ。

その2:コーヒーを飲むとがんになりにくくなる?

「コーヒーが癌予防に効果がある」。これもどこからか稀に耳にする内容だ。WHO(世界保健機関)とその外部組織IARC(国際がん研究機関)は2016年6月に、25年に渡る1000以上の論文を再調査した結果、コーヒーに発がん性は認められず、逆に20種以上のガンのリスクを減らすことが期待出来ると結論付け、コーヒーの発がん性分類を「2B(人に対して発がん性を示す可能性がある)」から「3(人に対する発がん性については分類できない)」に変更した。

また、国内での研究結果でも、膵臓がん、肝臓がんのリスク低下に効果が見られるとの研究結果が出ているようで、日常的にコーヒーを飲むことで、がんのリスクが低下すると考えても良いのかもしれない。

その3:コーヒーを飲む習慣が認知症の予防につながる

コーヒー(カフェイン)を習慣的かつ適量を摂ることにより、認知機能障害や認知症のリスクを下げてくれるという研究結果が出ているようだ。また、有効成分のトリゴネリンにも、脳の老化やアルツハイマー型認知症を予防する効果があるという研究結果も出ているようだ。

 

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コーヒーは二日酔いの頭痛を和らげる?

ついつい飲みすぎてしまい、翌朝は二日酔いで頭が痛む。「そんな時はコーヒーがおすすめよ」なんて言ってくれた女性がいたが、これは本当か? 実はコーヒーに含まれるカフェインは脳の血液循環を良くし、またナイアシンの効果も加わることでアルコールの分解が早くなるため、二日酔いから早く復帰できるようだ。ただし、飲み過ぎの後は胃が荒れていたり、弱っていることが多いので、ブラックでは飲まず、ミルクをたっぷりと加えて飲むことをお薦めしたい。どうやら彼女の話は本当だったようだ。

コーヒーはダイエットのサポートにも役立つ?

カフェインの作用には、血流が良くなり脂肪燃焼を促進する効果が期待できるので、ダイエットの為の運動に取り入れると役立ちそうだ。ただし、カフェインの作用は瞬発力を必要とする運動に適しているので、ハードなエクササイズとの組み合わせが良さそうだ。 また、カフェインは摂取後すぐに効果が出るわけではないので、運動の30分前に飲むことをお薦めする。

 

■結局のところ、コーヒーは身体に良い飲み物の可能性が高い

以上のことから、適度にコーヒーを飲むことは健康に良いと言っていいのではないだろうか。しかし身体の状態によっては、悪化を招くこともあるので、注意が必要だ。また、古くなった(酸化した)コーヒー豆はかえって体に毒なので、信頼できるコーヒーショップやロースターを探してみるのも良いだろう。

最後に、慢性的に多忙なビジネスマンが多いとされる日本、デスクに向かいながらコーヒーを飲むという光景も珍しくないのではと思われる。しかし貴重な一分一秒だからこそ、コーヒーブレイクという言葉に立ち返り、気持ちを落ち着けてコーヒーのあるひと時を楽しむというのはいかがだろうか。きっと、まだ明らかにされてないものの身体のみならず心にも良い効果あるはず。これを機に、ぜひ、自身に合ったコーヒーとの付き合い方を見つけて欲しいと思う。

 

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