中国の伝統的な祭日「中秋」も目前。中秋になると、親族や友人に月餅というお菓子をプレゼントするという風習がある。そして企業も、社員に月餅を福利厚生として支給するケースが多い。

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大手インターネット企業「アリババ社」も伝統文化に尊重し、中秋になると月餅を社員に支給している。なかなか高級なものだということで、支給される以上に欲しがる社員も多いという。そこで会社は技術の強みを活かし、多めに発注し一部在庫が残っている月餅を社内システムでタイムセールをすることに。開始してわずか9秒、大量残っていたはずの在庫が、一瞬でなくなったのだ。疑問に思った社員が検証したところ、一部IPからありえないペースでのアクセスがあり、誰かがスクリプトを仕込んで不正で大量に申し込んだことがわかった。
調査の結果、すぐにネットセキュリティ製品を作る部門の社員4人が浮上。そして当日午後、
16:30に面談に呼ばれ、17:30には退社手続きの書類が用意されたという。そして、人事からの解雇理由に、「行った行為が会社の価値観と違う」と書かれていた。

社内の出来事にも関わらず、すぐにネット上で晒されさまざまなコメントが寄せられた。なかには「技術者として素晴らしいじゃないか、アリババ社は何も考えずに解雇したのは、人事がどんだけごみ人間かよ」と考える人が多い。日本では解雇されて当然だというこの事件、中国では称賛する人まで出てきたりと人々の考え方が違うのだ。

結果、解雇された社員がネットでたくさんの同情を得ている。事件の当事者である1人が「次の職がほしいな」と書いたので、まもなく大量な他社オファーが殺到。そして、同社の人事部門が大きく非難され、過去にあったスキャンダルもまた出されて再炎上。最悪の結果となった。

悪事を働いた者を称賛するなんて日本では絶対ありえない。文化の違いか? ただただ感覚が違うだけなのか? やはり中国の思考は理解しがたい。

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StartHome編集部

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