3月3日は、女子のすこやかな成長を祈る「ひな祭り」。桃の節句とも呼ばれ、女の子のいる家庭では雛人形を飾り、ハマグリのお吸い物や散らし寿司などご馳走を並べ祝うことだろう。これが当たり前かと思っていたが、歴史的には全国各地で違いがあり、意外に知られていないこともある。そこで今回は、地域別・ひな祭りの特徴をお伝えしよう。東日本と西日本に分け、中部地方は東日本、九州地方は西日本に含めた。では、どのような違いがあるのだろうか?

参照URL:
http://www.japan-toy-museum.org/Hometown_Hina_Dolls2010.html

ひな祭りといえば「ひな人形」

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・東日本の伝統的なひな人形とは?

まず、東日本の中でも、東北地方は雪の多い地域として知られている。伝統的なひな人形にも、そういう地域的な特徴が反映されている。たとえば、秋田県八幡では、春が来る喜びを表すように、赤やオレンジが強調され、ひな人形の色彩が明るくなっている。また、福島県三春では、いかにも動き出しそうな形状で、表情も豊かになっている。さらに、関東地方では、木屑を練ったひな人形が、埼玉県鴻巣で伝わっている。あるいは、千葉県芝原では土玉が入れられ、イシッコロビナとも呼ばれ、農民などに親しまれた庶民のひな人形というところだ。これらは、江戸時代頃に盛んであり、浅草の今戸焼きが影響を及ぼしたと言われる。

中部地方では、型抜きを利用しているため、各地で似たようなひな人形が作られた。代表的なものとしては、長野県松本のひな人形で、綿の入った布を型紙にした押し絵のものが、今でも伝わっている。

・西日本にも独特なひな人形がある

西日本と言えば、京都が中心であることは、言うまでもない。古都であり、伏見人形と言えば、全国各地で知られ、ひな人形にも影響を与えている。とりわけ、近畿地方では、その特色を受け継いでいるようだ。たとえば、滋賀県小幡では、土雛が作られ、伏見人形の特色が生かされている。さらに、近畿地方の神社においては、土俗的な雛人形があり、伏見人形との類似点も見て取れる。また、山陰地方では、紙雛が使われるようだ。これは、川に人形を流す伝統行事との関係が大きい。鳥取県用瀬などで行われる雛流しと言えば、全国でもその名を知られたものだ。テレビなどで目にした人も多いかもしれない。

最後に、九州地方になるが、土雛が特色である。両袖を重ねたものが多いようで、この地方のユニークなひな人形であろう。しかし、鹿児島県糸離などでは、紙雛が作られている。あるいは、大分県日田では、押絵雛もあり、同じ九州地方でも各地で違いがあるようだ。

 

米粒? 丸型? 「ひなあられ」にも違いが

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ひな祭りに欠かせないのもの1つに「ひなあられ」がある。実はひなあられにも関東・関西で違いがあるという。というより、一目瞭然。関東は米粒型で、関西は丸型とビジュアルがまったく違うのだ。味にも違いがあり、関東では砂糖を使っているので甘く、関西は醤油や塩で味付けされているのでしょっぱいという。また、北海道出身の友人に聞いたのだが“かりんとう”を食べる習慣があるという。

 

いかがだっただろうか?

全国各地のひな祭りの特徴。あくまで概略程度であり、まだまだ語れることもあろう。ちなみに、ひな人形に関して時代の流れに逆らえず、均質化された商品が全国的に出回っている。それでも、伝統として受け継がれている地域もある。日本の土俗文化とも関係し、このまま継続されれば、と筆者個人は思っている。
日本では、ケガレという考えがあり、簡単に言ってしまえば、自分の悪の部分である。それを人形に託し、処分することもある。ひな人形の処分もまた、ケガレを払うことにつながっている。処分の仕方にも色々あるが、伝統をキーワードにすれば、ケガレは重要な考えである。
ふと、こんな言葉が浮かんだ。

ひな人形 アナタの身代わり お大事に

人形は、顔が命だが、それだけではないのかもしれない。

参照URL:
http://style.nikkei.com/article/DGXMZO83832740S5A300C1000000?channel=DF280120166609&style=1

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