そもそも“親知らず”ってナゼそうよばれるのか?

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親知らずの正式名称は?

親知らずは、正式には『第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)』という。たとえば、右下の奥にある親知らずの場合は、下顎右側第三大臼歯となる。この臼歯とは、いわゆる奥歯のことで臼歯は、小さなものを小臼歯、大きなものを大臼歯といい、小臼歯は2本、大臼歯は3本ずつありる。すなわち、第三大臼歯とは、3番目に生えてきた大臼歯という意味になる。ヒトの場合、基本的に第四大臼歯というものはありませんので、この歯が一番奥の歯ということになる。ちなみに、前歯は切歯(せっし)という。

親知らずという名称の由来について
では、第三大臼歯のことをなぜ親知らずというのだろうか。親知らずという名前の由来は、親が子どもの歯のチェックをしない様な年齢になってから生えてくる歯なので、『親が歯が生えてきたことすら知らない』ことからであると、いわれている。また、英語では、『wisdom tooth』。wisdomは知恵、toothは歯をさし、知恵がついてきた頃に生えてくる歯という意味だ。日本語での親知らずの別称である『智歯』は、この『wisdom tooth』がその由来ともいわれている。

親知らずのあれこれ 歯科医療者のよびかたとは

Dental implant model for explain tooth body.

歯科医師や歯科衛生士など歯科医療者は、親知らずのことを、『8番(はちばん)』といい、年配の歯科医師の場合『アハト』とよぶこともある。
歯にはそれぞれ名前がつけられていて、最も真ん中にある歯は中切歯、6歳臼歯は第一大臼歯と呼ばれている。実はこれ、動物の歯でも同じなのだ。しかし、いちいちむし歯や歯周病の治療をするたびに、上顎右側中切歯や下顎左側第一大臼歯とかカルテに書くのは一苦労。そこで、歯科医師は歯を簡単に記号化して表すようにしているのだ。中心の歯から1、2、3・・・8と順番に数字で表記し、それに上下顎左右を表す記号を組み合わせたものを歯式(ししき)という。この歯式は、学校の健康診断などで聞いたことはないだろうか? 歯科医師が、鏡で口の中を見ながら、イチバンマル、ニバンサンカク、サンバンマル、ヨンバンバツとかぶつぶつ言っていたあれのことだ。あの行為は、数字がどの歯であるかを示し、歯の状態を表している。親知らずは、前から数えて8番目の歯になるので、歯式では『8番』となる。なお、前述の『アハト』とは、ドイツ語で『8』を表すachtをそのまま読んだものである。
埋伏智歯(まいふくちし)ってなに?
親知らずは、きちんとまっすぐに生えている方が少なく、多かれ少なかれ、変な生え方をしていて、埋まったままの状態のもの珍しくない。生えるべき年齢になっても埋もれたままの状態にある歯を埋伏歯という。特に親知らずの場合は、埋伏歯といわず埋伏智歯(まいふくちし)と呼ぶ。半分程度埋まっているなら半埋伏智歯、完全に埋もれていて見えていないなら完全埋伏智歯、水平に倒れているなら水平埋伏智歯、上下がひっくり返っているなら逆性埋伏智歯、骨にがっちりとつかまれて埋まっているなら骨性埋伏智歯といったように、埋もれ方によって呼び方が変わるという。また、接頭語が組み合わされる場合もあり、たとえば骨性水平埋伏智歯というのもある。歯科医師にとっては、骨性水平埋伏智歯はなかなか抜歯しにくいのでたいへんですが・・・。

親知らずが抜歯になることが多い理由

親知らずがむし歯や歯周病などで腫れてきた場合、ほとんどが抜歯となる。それは、前述の様に、埋まった状態を表す表現がたくさん生まれていることが裏付けている様に、きちんと生えている場合が非常に稀だからだ。きちんと生えていなくて、微妙に歯茎から出ているような親知らずは、歯磨きがしにくい上に、隣の歯との間の歯茎に深い隙間が出来ていることが多い。歯茎に隙間が出来ていると、そこでむし歯菌や歯周病菌が繁殖する温床ができ、その結果、親知らずや隣の歯にむし歯を作ったり、歯茎を腫らしたりしする。そして、そんな親知らず自身は、通常の歯科治療が難しく、たいていが抜歯することとなるのだ。
一方、完全埋伏智歯や骨性埋伏智歯の場合は、歯茎の隙間がとても小さく、むし歯菌や歯周病菌が入り込む余地が少なく、むし歯や炎症を起こしにくいため、むし歯や歯周病を理由とした抜歯になることは少ないのですが、矯正歯科治療のために抜歯をしなければならないことがあるので注意して欲しい。

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